Record Discovery

Record Discovery（レコードディスカバリー）

『Record Discovery（レコードディスカバリー）』は、かつてTOKYO FMを核としたJFN系列の全国38局を結んで放送されていたラジオ番組です。主に日本のポピュラー音楽の過去の作品に焦点を当て、その魅力をリスナーに伝えていました。

番組の概要

この番組が放送されたのは、2007年の5月から6月にかけてのわずか二ヶ月間という短い期間でした。毎週日曜日の午前10時から10時30分までの枠で放送され、パーソナリティは小山ジャネット愛子氏が務めました。番組の核となる内容は、毎週、日本のポピュラー音楽の歴史に名を刻む名盤アルバムを一枚選び、その背景や楽曲の魅力に迫るというものでした。小山氏による丁寧な解説や、そのアルバムに収録された楽曲のオンエアを通じて、リスナーは改めてJ-POPの奥深さや新たな発見を享受することができました。

放送に至る背景

この時間帯、特に日曜日の午前10時から10時55分までの枠は、それまで長らく自動車メーカー・マツダの一社提供番組として親しまれていました。当初は『MAZDA SUPER SUNDAY』として始まり、その後継番組である『MAZDA MUSIC JAM』へと引き継がれていましたが、2007年3月をもってマツダがスポンサーから撤退したため、この時間枠は空席となりました。

2007年4月の一ヶ月間は、環境問題に関する特別番組『Message to the Blue Planet』が、暫定的な代替番組として放送されました。そして5月に入ると、状況に変化が見られました。それまで一つの枠だったものが分割され、10時30分から10時55分までの後半部分には、建材メーカーのYKK APが新たにスポンサーとなり、『YKK AP presents 内田恭子のウチ・ココ〜ウチだけ、ココだけの話』という新番組がスタートしました。しかし、午前10時から10時30分までの前半枠は、依然としてスポンサーが決まらない状態でした。こうした背景から、この前半枠の暫定的なプログラムとして企画・放送されたのが、『Record Discovery』だったのです。

番組の終焉と後継番組

番組が始まった翌月、6月になると、『Record Discovery』の放送時間中に、電機メーカー・Panasonicのプラズマテレビ『VIERA』に関するスポットCMが頻繁に流れるようになります。これは、同社がこの時間帯のスポンサーとなることを示唆する動きでした。そして、その予兆通り、7月からはPanasonicが正式にこの枠の提供スポンサーとなり、番組は内容を一新。『Panasonic Melodious Library』へと改称・リニューアルされることになり、『Record Discovery』はその短い歴史に幕を閉じました。『Panasonic Melodious Library』もまた、後の人気番組へと発展していきます。

MAZDA MUSIC JAMとの比較

特筆すべき点として、『Record Discovery』は前番組の一つである『MAZDA MUSIC JAM』と、いくつかの共通点を持っていました。特に、パーソナリティが同じ小山ジャネット愛子氏であり、放送時間帯も（旧番組の枠の前半部分とはいえ）重なっていたことから、番組全体の雰囲気には類似性が見られました。音楽を深く掘り下げるという番組のコンセプトも共通していたと言えるでしょう。しかし、番組で取り上げる音楽のジャンルには明確な違いがありました。『MAZDA MUSIC JAM』が主に海外のアーティストや楽曲に焦点を当てていたのに対し、『Record Discovery』は日本の過去のアルバム、すなわちJ-POPの名盤に特化していました。このように、共通の要素を持ちながらも、その内容はしっかりと差別化が図られており、日本の音楽ファンにとっては貴重な番組であったと言えます。

わずか二ヶ月という短命に終わった『Record Discovery』ですが、スポンサー不在という状況下で、日本の音楽遺産に光を当てるというユニークな企画を実現した点は特筆に値します。この期間に紹介された名盤の数々は、今も多くのリスナーの心に残り続けているかもしれません。

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