Romeo (ロボット)

ロミオ：自立歩行型ヒューマノイドロボットの開発

ロミオ（Romeo）は、フランスのアルデバランロボティクス社を中心に開発されている小型の自立歩行型ヒューマノイドロボットです。当初は高齢者や視覚障害者の生活支援を目的として、産学官連携のプロジェクトとして開始されました。しかし、プロジェクト開始から15年近く経過した現在でも、まだ完成には至っておらず、実用化の目処は立っていません。

プロジェクトの概要

2008年3月、身長1.2mから1.5mの二足歩行ロボットを開発するプロジェクト「ロミオ」が構想されました。このプロジェクトは、高齢者や視覚障害者の支援を目標としており、産学官の連携によって進められることになりました。翌2009年1月には、産業クラスターCap Digitalのもとに、5つの企業と7つの研究機関が集まり、プロジェクトが本格的に始動しました。

プロジェクト参加企業・研究機関

プロジェクトには、以下の企業と研究機関が参加しました。

民間企業
アルデバランロボティクス社
Acapela Group
As An Angel社
スピロップス社
Voxler社

研究機関
フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)
フランス国立科学研究センター(CNRS) 機械・エンジニアリング科学のための情報学研究室(LIMSI)
フランス国立科学研究センター(CNRS) 解析・システムアーキテクチャ研究所(LAAS)
コレージュ・ド・フランス 知覚・運動生理学研究室(LPPA)
原子力・代替エネルギー庁(CEA) システム統合技術応用研究所(LIST)
ベルサイユ大学(UVSQ) システム工学研究所(LISV)
TélécomParisTech

これらの組織が、開発費1000万ユーロのうち半分を負担し、残りはイル＝ド＝フランス地域圏、パリ市、経済生産再建デジタル省競争力・産業・サービス総局(DGCIS)からの補助金で賄われました。

ロミオの初期試作機

2012年には、最初の試作機が発表されました。この試作機は、高さ1,467mm、重量36.66kgで、37の自由度を持ち、OSにはNAOqiが採用されました。腕はドアの開閉を想定し、約3kgの負荷に耐えられる仕様となっています。また、国立キャンズ ・ヴァン病院眼科センター パリ視覚研究所(Vision Institute)との協力により、視覚障害者向けの生活支援の研究も進められています。

プロジェクト「ロミオ2」の始動

2012年11月には、16の組織が参加するプロジェクト「ロミオ2」が始動しました。

継続参加組織
Aldebaran Robotics社
SPIROPS社
VOXLER社
INRIA
CNRS-LIMSI
CNRS-LAAS
COLLÈGE DE FRANCE
CEA-LIST
HAPTION社(CEA-LISTを母体とする)
UVSQ-LISV
TELECOM PARISTECH

新規参加組織
ALL4TEC社
フランス国立科学研究センター(CNRS) モンペリエ情報ロボティクス・マイクロエレクトロニクス研究所(LIRMM)
Mines Paritech等による研究機関(ARMINES)
APPROCHE ASSOCIATION
ピエール・マリー・キュリー大学(UMPC) 知能ロボットシステム研究所(ISIR)
ストレートカレッジ

「ロミオ2」では、2015年頃の市販化を目指しており、初期モデルの価格は研究機関向けに25万ユーロ（約3300万円）を想定していました。

現在の状況

残念ながら、現時点ではロミオは未完成のままであり、実用化の目処は立っていません。しかし、このプロジェクトで得られた知見は、今後のヒューマノイドロボット開発において重要な役割を果たすと期待されます。

関連情報

関連項目
Nao)
Pepper)

外部リンク
ALDEBARAN社のサイト
Projet Romeo.com
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