『Rusty Nail』は、日本のロックバンド
X JAPANが
1994年7月10日にリリースした10作目の
シングルであり、この曲はバンドとして初めてオリコン
シングルチャートで1位を獲得しました。この
シングルは、前作『Tears』に次ぐ売り上げを記録し、発売日の不利な立場にもかかわらず、わずか1日から2日で週間1位を獲得したことが示すように、相当な人気を誇りました。さらに、この曲は
オリコンチャートでの2週連続1位を記録し、
X JAPANの名曲としての地位を確立しました。
この楽曲は、
1994年に放送された関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『君が見えない』の主題歌にも使用されましたが、楽曲の制作が遅れたため、ドラマの初期エピソードではデモ音源が使われていました。後に、2008年にはスズキ『スイフト』のCMソングとしても採用されています。
楽曲タイトルの「Rusty Nail」は、英語で「錆びた釘」という意味です。この曲は、1990年にリリースされた『WEEK END』の続編として創作され、Bメロの途中には『WEEK END』のイントロ部分が使われています。さらに、歌詞の内容も『WEEK END』を意識したものとなっています。特に、この楽曲は
シンセサイザーのシーケンスフレーズが全編にわたって展開されるため、過去の作品とは異なる印象を与えます。
楽曲の演奏時間は5分28秒と、
X JAPANの
シングルA面曲にしては比較的短い部類に入ります。これまでは『WEEK END』の5分45秒が最短でしたが、
1996年の『
CRUCIFY MY LOVE』は4分32秒と、さらに短くなりました。また、この曲のギターソロは通常、
HIDEが右チャンネル、
PATAが左チャンネルで演奏するものの、本作では
HIDEのソロが左チャンネルから流れるという興味深いばなり方が見られます。
『Rusty Nail』は、その後のライブではほぼ全て演奏され、特に
1994年末の
第45回NHK紅白歌合戦では
X JAPANとして演奏され、多くのファンの心に刻まれました。また、2023年末の
第74回NHK紅白歌合戦では
YOSHIKIと他のアーティストとのコラボレーションで披露されました。悲しいことに、2023年内に他界した
X JAPANのベーシスト
HEATHがこの曲を公の場で演奏した最後の場面となりました。
シングルリリースから約5年後の1999年には、
アニメーションによる
ミュージック・ビデオが制作され、ベストアルバム『PERFECT BEST』の初回特典として付属しました。このビデオは、メンバーを模したキャラクターがヒーローとして侵略者と戦うストーリーであり、特に
HIDEが操られる役割を果たしています。しかし、このビデオは本来のSF映画製作計画の一環として制作されましたが、社会的な背景により中止されました。そのため、パイロット版として作られた映像は長らく
お蔵入りとなっていましたが、2014年には
YOSHIKIのYouTubeチャンネルで公開されました。
実写版の
ミュージック・ビデオも2010年に制作され、ロサンゼルスでの撮影には約8000人のファンが集まりました。
アニメーションMVは、破壊された地上で目玉の怪物と戦うヒーローたちの物語が描かれています。怪物による攻撃や、キャラクターたちが少女を救うために戦う様子が緊迫感を持って展開され、その中で
YOSHIKIの力が希望として描かれています。最終的には
YOSHIKIが光となり、怪物を倒すシーンで締めくくられます。
収録アルバムとカバー
『Rusty Nail』は、『DAHLIA』などのアルバムに収録されており、様々なアーティストによるカバーも出されています。ドラゴンランドや
相川七瀬などが手がけたカバー曲は、オリジナルの魅力を伝えつつ新たな解釈を加えています。
このように『Rusty Nail』は、
X JAPANの代表作の一つとして今もなお多くの人々に愛され続けています。