S!アプリとは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

S!アプリとは

S!アプリは、ソフトバンクがかつて提供していた、Yahoo!ケータイ対応の携帯電話で動作するJavaアプリケーションおよびサービスです。主にゲームアプリとして利用されていました。その前身は、ボーダフォン時代の「Vアプリ」、さらに遡るとJ-フォン時代の「Java™アプリ」という名称で親しまれていました。

技術的な側面

S!アプリは、EZアプリ(Java)と同様に、MIDP(Mobile Information Device Profile)に準拠したJavaアプリケーションです。アプリのサイズによって、50kアプリ、100kアプリ、256kアプリ、メガアプリといった種類がありました。容量の大きいアプリに対応している機種は、より容量の小さいアプリも利用できましたが、SoftBank 3Gでは実行環境が変わったため、一部の下位アプリは利用できなくなっています。

一部のシャープ製端末では、モーションコントロールセンサーに対応したアプリも存在しました。EZアプリ(Java)と比較すると、ゲーム関連機能を早くから実装していたため、特にゲームアプリが豊富でした。

セキュリティと開発

セキュリティ上の理由から、一般の開発者がS!アプリを公開するには、コンテンツアグリゲータの審査を受け、そのサイトを通して公開する必要がありました。審査は原則無料で行われていました。また、アプリの実行権限はUSIM-IDと紐付けられていたため、USIMカードを交換するとアプリが利用できなくなります。その場合は、「S!アプリオールリセット」を行うことで再リンクする必要がありました。

対応API

SoftBank 3Gでは、以下のAPIの一部または全部に対応していました。

CLDC 1.1 (JSR 139)
MIDP 2.0 (JSR 118)
Location API (JSR 179)
Mobile Media API (JSR 135)
Wireless Messaging API (JSR 120)
Mobile 3D Graphics API (JSR 184)

さらに、独自の拡張APIとしてMEXA(Mobile Entertainment eXtension API)やVSCL(Vodafone Services Class Libraries)がありました。例えば、SoftBank 942SHはWireless Messaging API, Mobile 3D Graphics API, VSCLに対応しておらず、3次元グラフィックスにはMEXA OPGL(OpenGL ES 1.1）とMEXA Enhanced 3D Graphics(MascotCapsule）を利用していました。

歴史

2001年 6月22日 - J-SH07から「Javaアプリ」が開始。
2001年 11月28日 - 一般の開発者によるアプリ開発が可能となり、2002年 3月1日発売のJ-SH51から利用可能。
2003年 10月1日 - ボーダフォンへの社名変更に伴い「Vアプリ」に名称変更。
2006年 10月1日 - ソフトバンクモバイルへの社名変更に伴い「S!アプリ」に名称変更。
2015年 3月31日 - ボーダフォン時代発売機種と2007年夏モデルまでのサムスン電子製機種での提供終了。
2020年 3月24日 - 全アプリケーションの配信を終了。

技術的な詳細

S!アプリは、MIDP 2.0とCLDC 1.1の組み合わせで動作していましたが、以前はMIDP 1.0とCLDC 1.0の組み合わせも存在しました。標準APIに加え、J-PHONE時代からのJSCL、後継のMEXA、ボーダフォン時代のVSCLといった独自の拡張APIも存在しました。これらの独自APIを使用するには、Softbank提供のスタブクラスをビルドライブラリに追加する必要があり、.jadファイルに使用したAPI名を記載する必要がありました。

アプリの記憶領域は、Javaクラスファイルとリソースファイルを圧縮したJARファイルと、内容変更可能なレコードストアに割り当てられていました。

互換性

EZアプリ(Java)もMIDPを採用していますが、KDDI、ソフトバンクモバイルともに独自の拡張APIがあるため、アプリの移植にはソースコードの修正が必要でした。ただし、DoJaプロファイルよりは比較的修正箇所が少ない傾向にありました。

外部リンク

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