オープンアプリプレイヤー

オープンアプリプレイヤー (OAP) とは

オープンアプリプレイヤー（OAP）は、KDDIが提供するBREWプラットフォームに対応したau携帯電話の一部に搭載されていたJavaアプリケーション再生環境です。これは、従来のBREW環境では難しかったJavaアプリの利用を可能にし、ユーザーに新たなコンテンツ体験を提供しました。

OAPの概要

OAPは、Application Management Software(AMS)とJava仮想マシンを組み合わせたもので、Javaアプリの管理と実行を行います。Java Platform, Micro Edition(Java ME)に準拠し、Connected Limited Device Configuration(CLDC) 1.1とMobile Information Device Profile(MIDP)を採用しています。KDDIが「オープンアプリ」と呼ぶのは、CLDC1.1/MIDP2.0に対応したJavaアプリを指します。

OAPは、CLDC1.1/MIDP2.0の仕様を忠実に再現することを目指しており、特別な拡張は行われていません。また、Untrustedアプリのみをサポートし、MIDlet-<n>には対応していません。そのため、Jarファイルには1つのアプリしか含めることができません。

通信制限と特徴

OAPの通信には、当初1日3MBまでの制限がありました。この制限を超えると、翌日の1時まで通信ができなくなります。この制限はJad/Jarファイルのダウンロードにも適用されるため、注意が必要です。また、接続前に必ずユーザーに確認を行う点が特徴です。

しかし、2010年8月31日には、この通信制限の撤廃とコンテンツプロバイダーへの開放が発表されました。これにより、OAPの利用はさらに拡大しました。

EZアプリ (J) について

EZアプリ（J）は、OAPをベースとして、アプリックスのJBlendで構築したJava VMを介してBREWプラットフォーム上でJavaアプリを動作させるものです。EZアプリ（J）では、3Dグラフィックの描画機能やSDカードへのアプリデータ書き込み機能が追加され、メモリ容量やアプリサイズも増加しました。従来のBREW版EZアプリやOAPにあった1日最大6MBの通信制限も撤廃されました。EZアプリ（J）は、2011年春モデルのT006から順次搭載されました。

技術情報

OAPとEZアプリ（J）の技術的な詳細仕様は、KDDIのEZファクトリーにて公開されています。

対応機種 (2014年12月時点)

OAPは、2007年春モデルから一部のau携帯電話に搭載されました。

主要メーカーと機種

カシオ計算機 (CA): W51CA, W52CA, W53CA, W61CA, W62CA, W63CA, CA001, CA002, CA003, CA004, CA007
富士通東芝モバイルコミュニケーションズ (F): E09F, F001
日立コンシューマエレクトロニクス (H): W51H, W52H, W53H, W61H, W62H, W63H, H001, HIY01
京セラ (K): W53K, W61K, W64K, W65K, K002, K007, K009, K011
パナソニックモバイルコミュニケーションズ (P): W52P, W61P, W62P, P001
パンテック&キュリテル (PT): W61PT
ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ (S): W51S, W52S, W53S, W54S, W61S, W62S, W63S, W64S, W65S, SOY01, S001, SOX01, S002, SOY02, SOY03, S007, SOY05
三洋電機 (SA): W51SA, W52SA, W53SA, W54SA, W55SA, W61SA, W62SA, W63SA, W64SA, SA002
シャープ (SH): W61SH, W62SH, W63SH, W64SH, SH001, E05SH, E06SH, SH002, SH003, SH004
東芝 (T): W53T, W54T, W55T, W56T, W61T, W62T, W63T, W64T, W65T, T001, T002, TSY01, TSX01, TSX02, TSX03, E08T, T006, T007, T008

OAP非搭載と復活

一部の機種ではOAPが非搭載となりましたが、2011年春モデルのT006からはEZアプリ（J）として復活しました。

OAPの特徴

OAPは、BREWの欠点を補い、ユーザーが自作アプリを利用できるようにするために導入されました。公式コンテンツプロバイダーに対しては、OAPでのアプリ開発は認められず、EZアプリ(BREW)での開発が推奨されました。OAPは、オープンアプリを再生するためのプレイヤーとして位置づけられています。

スペック

操作: テンキー、方向キー、決定キー、ソフトキー
ダウンロード可能アプリ数: 最大30
Jadサイズ: 6KB
Jarサイズ: 300KB
レコードストア: 32KB
画面サイズ: 240x268ドット（フルスクリーン時240x296ドット）
再生可能音源: SP-[MIDI], ToneSequence, ADPCM(x4)
再生可能画像: PNG(2値透過のみ), JPEG
通信: HTTP/HTTPS、1日3MBの通信量規制

バージョンアップ (1.1)

2008年春モデルの一部の機種では、OAPがバージョン1.1にアップグレードされました。これにより、以下の機能が追加されました。

WQVGAサイズ (240x376ドット) に対応
EZウェブからのパラメータ引き渡しによるアプリ起動
電界強度の取得
電池残量の取得
メモリカード有無の取得
自Jadファイルのダウンロード元URLの取得
外部メモリへのアプリバックアップ

その他

BREWで作成されたにもかかわらず、過去の携帯電話に対応できない理由として、EZウェブブラウザがOAPのダウンロードタグに対応していないことが挙げられます。

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