S&M

『S&M(Symphony & METALLICA)』は、メタリカが1999年に発表したライブ・アルバムです。メタリカが、本拠地を同じくするサンフランシスコ交響楽団と共演した模様を収録しています。

1999年4月21日と22日の2日間にわたって行われたこのライブでは、『ライド・ザ・ライトニング』から『リロード』までの楽曲に加え、このアルバムのために書き下ろされた新曲「No Leaf Clover」と「Minus Human」も演奏されました。

この大胆な企画の発案者は、オーケストラ側のマイケル・ケイメンでした。彼は以前、メタリカのアルバム『メタリカ』に収録されている「Nothing Else Matters」のストリングスアレンジを担当しており、その縁が今回の共演へと繋がりました。

内容は、メタリカの楽曲にオーケストラアレンジを加えるというシンプルなものですが、そのアレンジは単なるオーケストラの伴奏ではありません。スラッシュメタル期、グルーヴメタル期といったメタリカの様々な時代の楽曲が選ばれており、オーケストラをヘヴィメタルのフォーマットの中で最大限に活かすように工夫されています。楽曲の新たな魅力を引き出すことに成功しています。

ライブのセットリストを決める際、最も重視されたのは「オーケストラアレンジを加えることで、楽曲がどのように生まれ変わるか」という点でした。ラーズ・ウルリッヒが「上手くいかなかった」と語るように、当初は候補に挙がっていた「The Unforgiven」や「Fade to Black」といった楽曲は、この基準を満たさなかったため、最終的にセットリストから外れることになりました（ただし、構成が似ている「One」は演奏されています）。

このライブの模様は、後にVHSとDVDでも発売され、多くのファンを魅了しました。

収録曲

Disc1
ジ・エクスタシー・オブ・ゴールド - The Ecstacy of Gold
ザ・コール・オブ・クトゥルー - The Call of the Ktulu
メタル・マスター - Master of Puppets
オブ・ウルフ・アンド・マン - Of Wolf and Man
ザ・シング - The Thing That Should Not Be
フューエル - Fuel
ザ・メモリー・リメインズ - The Memory Remains
ノー・リーフ・クローヴァー - No Leaf Clover
ヒーロー・オブ・ザ・デイ - Hero of the Day
デヴィルズ・ダンス - Devil's Dance
ブリーディング・ミー - Bleeding Me

Disc2
ナッシング・エルス・マターズ - Nothing Else Matters
アンティル・イット・スリープス - Until It Sleeps
フォー・フーム・ザ・ベル・トールズ - For Whom the Bell Tolls
マイナス・ヒューマン - Minus Human
ホェアエヴァー・アイ・メイ・ローム - Wherever I May Roam
アウトロー・トーン - Outlaw Torn
サッド・バット・トゥルー - Sad But True
ワン - One
エンター・サンドマン - Enter Sandman
バッテリー - Battery

参加ミュージシャン
ジェームズ・ヘットフィールド (James Hetfield) - リズムギター/ボーカル
カーク・ハメット (Kirk Hammet) - リードギター
ジェイソン・ニューステッド (Jason Newsted) - ベース
ラーズ・ウルリッヒ (Lars Ulrich) - ドラム
マイケル・ケイメン (Michael Kamen) - 指揮者
* サンフランシスコ交響楽団

もう一度検索