S-200 (ミサイル)

S-200 アンガラ/ベガ/ドゥブナ（ロシア語: С-200 Ангара/Вега/Дубна）は、NATOコードネーム「SA-5 ギャモン（Gammon）」として知られる、ソ連が開発した長距離・高高度地対空ミサイル（SAM）システムです。当初は「タリン（Tallinn）」とも呼ばれていました。

開発経緯

1960年代にソ連の第1設計局によって、高高度を飛行する爆撃機、特に核爆弾を搭載したアメリカ軍の爆撃機などを標的とし、広範囲の空域を防衛するために開発されました。

システム構成

S-200は、ソ連軍では主に大隊レベルで運用され、各システムは通常、6基の発射機と、目標の捕捉・追跡を行う火器管制レーダーで構成されています。また、S-200は他の長距離レーダーシステムと連携することで、より広範囲な目標をカバーすることが可能です。

運用状況

現用
カザフスタン: 2023年時点において、カザフスタン防空軍が3基のS-200アンガラを保有していることが確認されています。

退役
モルドバ: 2004年時点で、モルドバ空軍がS-200を保有していましたが、現在は退役しています。

関連項目

ソ連防空軍: S-200は、ソ連の防空体制において重要な役割を果たしました。
ウクライナ防空軍: ソ連崩壊後、S-200はウクライナにも引き継がれました。
* シベリア航空機撃墜事件: 2001年にウクライナ防空軍が演習中に誤ってシベリア航空の旅客機を撃墜した事件があります。この際、誤射された地対空ミサイルはS-200であったとされています。この事件は、S-200の運用における安全管理の重要性を示す事例として知られています。

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