SAPICA

SAPICA（サピカ）

SAPICA（サピカ）は、2009年1月30日から札幌市交通局が導入したICカード乗車券で、札幌総合情報センター株式会社によって発行されています。名前は「簡単に取り出せて、すぐに利用できるSapporoのICカード」に由来するもので、市民の利便性を考慮した設計がなされています。2022年3月末時点での発行枚数は約190万枚に達しています。

概要

札幌市は2006年からICカードを導入する運びを検討し、2008年度のサービス開始を目指していました。2007年に「札幌ICカード協議会」が設立され、バスとの共通利用を視野に入れた専用カードの開発が進められました。その後、2008年の市民意向調査を元に、ICカードの名称が「SAPICA」と決定され、2009年から札幌市営地下鉄でのサービスがスタートしました。

SAPICAは、札幌総合情報センターが発行し、同社がカードの販売やチャージ、再発行を行っています。利用者が増えることに伴い、専用の改札機が設置され、有効期限内の利用を促進するイベントも開催されています。

登録商標と発行状態

SAPICAの名称は2008年12月5日に登録商標として登録されました。発行枚数は2011年の時点で20万枚を超えましたが、他のICカードに対するプレミアムが影響し、一時的に利用率が伸び悩みました。しかし、2014年から路線やバスカードの廃止が進む中で利用が増加し、発行枚数も順調に伸びています。

カードシステム

SAPICAはFeliCaシステムを採用していますが、他のICカードとは異なる独自のシステムコードや暗号鍵を使用しています。このため、SAPICAとSuicaなどと同時に使用する際にはエラーが起こらない設計となっており、便利な利用が可能です。さらに、2013年からはKitacaやSuicaなどの相互利用が開始され、利便性が向上しました。

カードの種類

SAPICAには主に以下の4種類のカードが存在します：
1. 無記名SAPICA：紛失時の再発行ができない汎用カード。
2. 記名SAPICA：氏名が記載されており、再発行が可能。
3. SAPICA定期券：定期券機能が追加された記名SAPICA。
4. クレジットカード一体型SAPICA：北洋銀行との提携で発行されるカード。

それぞれのカードには最高20,000円のチャージ上限が設定されていて、他のICカードからのチャージはできません。利用履歴はSAPICA対応自動券売機で確認できますが、2012年以降のオンライン確認サービスは終了しています。

利用可能な事業者・路線

SAPICAは、札幌市営地下鉄全線、路面電車、北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつなどの多くの公共交通機関で利用できます。また、他のICカードとの共通利用も可能なため、非常に便利です。

追加サービスと機能

オートチャージサービスを利用することで、設定した金額を下回った場合に自動的にチャージできますし、SAPICAポイントも利用可能です。ポイントは交通機関や提携店舗で利用され、特定の条件ではボーナスポイントも付与されます。

さらに、札幌市団員図書館などの貸出券機能もあり、非常に多機能なカードとなっています。

結論

SAPICAは札幌市の交通機関での便利な利用を可能にするICカードとして、特に市民の利便性向上に寄与しています。公共交通利用のスムーズさやポイントシステムの導入など、今後もその利用法が発展していくことが期待されます。

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