SARSコロナウイルス2-ガンマ株

SARSコロナウイルス2-ガンマ株

SARSコロナウイルス2-ガンマ株は、SARSコロナウイルス2の変異株の一つであり、特に新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の原因となるウイルスです。この変異株は系統P.1として知られており、初めてブラジルのアマゾナス州で確認されました。これは日本国内で最初に発見されたため、日本では「ブラジル型変異株」と通称されることが多いです。したがって、海外では「Brazilian/Japanese variant」という名で知られることもあります。

初の検出と流行

2021年1月、東京に到着したブラジルからの旅行者の中で、初めてこの変異株が確認されました。その後、国立感染症研究所によって詳細な調査が行われ、ブラジルにおける流行が宣言されました。この変異株は特に、スパイクタンパク質において3つの懸念される変異（N501Y、E484K、K417T）を持つことが特徴です。

データによれば、P.1変異株は2020年の終わりから2021年の初頭にかけて、アマゾナス州マナウスで大きな流行を確認され、特定の感染率が急激に上昇しました。この期間中に行われた研究によると、P.1は他の株と比較して、感染した際のウイルス量が最大10倍とされており、特に成人や高齢者に対する感染能力が高いことが分かっています。

伝染性と免疫回避

系統P.1は以前のコロナウイルス感染による免疫を部分的に回避する能力が示されており、感染後に再感染するリスクがあることが研究から分かりました。たとえば、過去に感染して回復した人の25%から61%は、再感染に対して免疫が効かないことが指摘されています。また、P.1に感染した人の死亡率が通常の2倍から8倍高いという結果も報告されています。

WHOによる分類

この系統は、2020年11月にブラジルで確認され、2021年にはWHOによって懸念される変異株（VOC）として分類されました。その後、ガンマ（Gamma）という名称が付けられました。このことから、ガンマ株は他の多くの変異株と同様に、COVID-19の感染拡大における重要な要因となりました。

ワクチンの有効性

変異株に対するワクチンの効果にも注目が集まっています。研究によると、ファイザーやモデルナのワクチンを接種した人々は、P.1に対する中和抗体の効果が低下することが分かりました。つまり、これらのワクチンを接種したとしても、P.1による感染リスクは継続して存在する可能性があります。

初期のデータは、オックスフォード-アストラゼネカワクチンがこの変異株に対して有効であることを示唆していますが、詳細な効果レベルについての明確な情報はまだ発表されていません。さらに、シノバックのCoronaVacワクチンに関する研究も続けられており、その有効性が評価されています。

結論

SARSコロナウイルス2のガンマ株は、その高い感染力と再感染リスクから、特に注意を要する変異株の一つです。引き続きこの変異株の研究が進められており、ワクチンの効果に関する理解も深まっています。今後の動向に注視が必要です。

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