SARSコロナウイルス2-ラムダ株

SARSコロナウイルス2-ラムダ株

概要

ラムダ株、正式にはSARSコロナウイルス2-ラムダ株（系統 C.37）は、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）を引き起こすウイルスの一種です。この変異株は2020年12月にペルーで初めて確認され、その後南アメリカを中心に広がっていきました。2021年6月には、世界保健機関（WHO）によって注目すべき変異株（VOI）に指定されましたが、2022年4月にはそのリストから除外されています。

ラムダ株の感染力はアルファ株やガンマ株に比べて強い可能性が指摘されており、ワクチンに対する耐性も持っている可能性があります。一方で、mRNAワクチンやモノクローナル抗体による治療の効果が維持されているという研究結果も発表されています。

経過

ラムダ株は2020年12月にペルーで確認され、2021年4月には同国のCOVID-19感染者の約8割がこの株に感染していることがわかりました。2021年6月には南米全域に広がり、合計で29か国に確認されました。この変異株は特にアルゼンチン、チリ、エクアドルで多く報告されています。

WHOは2021年6月14日にこの株にラムダという名称を付け、注目すべき変異株に分類しました。同月中にはペルーのアレキパで90.6%、クスコで78.1%といった高い感染率が報告されました。その後、ラムダ株はオーストラリアやアメリカのテキサス州、フロリダ州、日本、フィリピンなどでも確認されるようになりました。

分類と命名

ラムダ株は系統 C.37として記録され、2021年5月末にWHOの方針に従ってギリシャ文字でラムダ（λ）と名付けられました。この新たな命名規則により、さまざまな変異株がより簡潔に理解されるようになりました。

変異の特徴

ラムダ株では、ウイルスのスパイクタンパク質にいくつかのアミノ酸変異が確認されています。具体的には、G75V、T76I、Δ246-252、L452Q、F490S、D614G、T859Nといった変異が報告されています。これらの変異はウイルスの感染力やワクチンへの反応に影響を与える可能性があると考えられています。

研究と公衆衛生の対応

ラムダ株の広がりに伴い、各国では感染対策やワクチン接種が進められています。特に南米地域では、感染者の増加に対する迅速な対応が求められており、政府や公衆衛生機関が協力して対策を講じています。また、ワクチン効果の継続的な評価や変異株に対する治療法の研究も進められています。

結論

ラムダ株は新型コロナウイルスの変異株の一つとして、特に南米での感染拡大が懸念されています。その感染力やワクチン耐性についての研究が進められている中、各国では公衆衛生の維持と感染拡大の防止に向けて努力が続けられています。今後の動向を注視し、感染症対策を進めることが重要です。

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