SBA (航空機)

SBN（NAF SBN）について

SBN（NAF SBN）は、アメリカ海軍の艦上爆撃機として知られ、ブルースター社が開発し、海軍航空機工廠が生産を担当しました。この航空機のデザインと製造には多くの歴史的背景があり、航空機の進化を象徴する重要な存在です。

開発背景

1934年、アメリカ海軍は新型の複座艦上索敵/爆撃機の試作を各航空機メーカーに依頼しました。ブルースター社は、その中の一社として、XSBA-1という試作機を製造することとなりました。この機体の初飛行は1936年4月で、ブルースター社にとって初の自社開発による航空機でした。

XSBA-1は、その全金属製の中翼単葉機の構造や、油圧式の引き込み脚、2翅可変ピッチプロペラなど、当時の最新技術を取り入れた設計が施されていました。エンジンも初めは750馬力のライト R-1820-4が搭載されていましたが、後に950馬力のR-1820-22に換装されることで、424 km/hという最高速度を誇ることとなりました。この速度は、当時の艦上爆撃機としてはトップクラスでした。

量産化の道

試作機の優れた性能により、海軍は1938年9月に量産型の発注を行いましたが、ブルースター社は生産能力の不足から、アメリカ海軍航空機工廠（NAF）での生産を余儀なくされました。その結果、機体はSBNという名称に改められました。量産型では、エンジンがR-1820-38に換装され、外観にも変更が施されました。特にエンジンカウリングの形状や、3翅プロペラの採用が初の改良点でした。

ただし、生産工程にはさまざまな問題が発生しました。量産1号機が完成したのは1940年11月で、発注から実に2年も経過していました。この遅れは、全金属製の機体を生産するための新たなラインを構築する必要があったためであり、また工員の育成にも時間がかかったことが主な要因でした。この影響もあって、開発途中でダグラス社のSBDドーントレスが登場し、その高性能によってSBNの立場は脅かされました。

運用と生産の停止

最終的に、SBNの30機が完成したのは1942年の3月であり、太平洋戦争の開戦後に製造されたことから、本機は既に時代遅れの機体となっていました。これらの機体は、VB-3やVT-8の訓練用に使用されましたが、1942年8月にはスペアパーツの不足から運用が中止され、全機が部隊から引き揚げられることになりました。

一方で、XSBA-1は採用試験の後、1939年にNACAに譲渡され、研究機として利用されました。その後、上反角の修正や新型主翼への換装が行われ、1945年9月まで各種テストに従事しました。

各型の概要

SBNには以下の2つの型があります：

• - XSBA-1：試作機（1機のみ製造）
• - SBN-1：量産型（30機製造）

仕様

• - 全長：8.43 m
• - 全幅：11.89 m
• - 全高：2.64 m
• - 全備重量：2,445 kg
• - エンジン：ライト R-1820-38 空冷星型9気筒 950hp
• - 最大速度：486 km/h
• - 実用上限高度：9,150 m
• - 航続距離：1,633 km
• - 武装：炸薬最大226 kg、7.62mm機関銃1丁（後部）、12.7mm機関銃1丁（前方固定）
• - 乗員：2名

結論

SBN（NAF SBN）は、アメリカ海軍の艦上爆撃機として、技術革新の象徴でしたが、時代の流れに押されてしまった機体でもあります。開発と生産の苦労、そしてその歴史的背景を知ることで、航空機の進化がどのように進んできたのかを理解することができるでしょう。

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