SBSテレビ夕刊

『SBSテレビ夕刊』は、静岡放送（SBSテレビ）が1971年10月より2009年 3月27日まで、38年間にわたり放送した夕方の県内向けローカル報道番組です。静岡県内の民放テレビ局として初めて本格的なニュースワイド番組としてスタートし、JNN系列局全体でも早期の試みとして位置づけられています。番組は、静岡県内の様々な地域問題や社会的な課題を積極的に取材し、時には視聴者とともに解決策を考えるような企画も展開しました。また、地域の風土や文化に焦点を当てた特集なども多数制作・放送され、県民の生活に密着した情報を提供しました。

番組開始の経緯と展開

1971年10月の番組開始当初、平日夕方にローカルニュースワイド番組を制作することに対しては、静岡放送社内でも「冒険的な試み」「無謀な賭け」といった懐疑的な意見もあったと伝えられています。そのため、開始当初は試験的な位置づけとして、月曜日・水曜日・金曜日の週3回、隔日での放送としてスタートしました。しかし、放送開始後の視聴率が順調に推移し、また番組制作体制も整備されたことから、開始から約1年後には現在の形の平日毎日の帯番組へと移行し、安定した放送体制を確立しました。

タイトルと編成の変遷

番組の正式タイトルは、開始当初は単に『SBSテレビ夕刊』でした。しかし、1990年4月以降は、同時期にTBSが18時台前半に放送していた全国ニュース番組のタイトルに合わせ、その名称をサブタイトルとして付け加える形式に変更されました。「JNN」の冠を除いた全国ニュースのタイトルがサブタイトルとなるため、全国ニュースのタイトルが変更されるたびに『SBSテレビ夕刊』のサブタイトルも変更されました。具体的には、1990年4月から2005年3月までは『SBSテレビ夕刊ニュースの森』、2005年4月から番組終了までは『SBSテレビ夕刊 EVENING NEWS（イブニング・ニュース）』というタイトルで放送されました。なお、『JNNニュースコープ』が放送されていた時代には、新聞の番組表などで、『ニュースコープ』が本番組内の全国ニュースパートとして扱われることもありました。

最終期の放送時間は、毎週月曜日から金曜日の17時45分から18時55分でした。この時間帯には、17時50分から18時16分にかけて、TBSからの全国ニュース『JNNイブニングニュース』が内包される形で放送されていました。

制作技術

番組はハイビジョン制作に対応しており、2005年6月1日から地上デジタル放送が開始されるのに伴い、その直前の5月30日の放送から、オープニングCGやスタジオセットがハイビジョン対応のものに刷新されました。また、静岡放送のNスタジオには、県内のテレビ局では数少ない、スタジオ映像とCGをリアルタイムで合成できるバーチャルシステムが常設されており、番組内の様々な場面でこの技術が活用されていました。地上デジタル放送での視聴において、標準画角である4:3の映像を放送する際には、画面の左右に「SBSNEWS」と表示されたサイドパネルが付加されるという特徴がありました。これは、キー局であるTBSでは通常行われない処理でしたが、SBSでは当番組を含むローカルニュース内で積極的に使用されていました（ただし、JNNネットワークニュースとして全国に送出される際には、サイドパネルは付加されませんでした）。

番組の終焉

長年にわたり静岡の夕方の顔として親しまれてきた『SBSテレビ夕刊』は、2009年 3月27日の放送をもって38年の歴史に幕を下ろしました。後継番組としては、2009年3月30日より新たな夕方ワイド番組『SBSイブニングeye』（後に『イブアイしずおか』と改題）が16時45分からの放送を開始し、同日スタートしたTBS系全国ニュース『総力報道!THE NEWS』を内包する形となりました。

主な出演者

番組のキャスターやリポーターは、長年にわたり静岡放送のアナウンサーや記者が務めました。最終期には野路毅彦アナウンサーらがメインキャスターを務め、スポーツコメンテーターや担当アナウンサーも出演しました。過去にも、神村敏行、青木輝、松野輝洋（後の藤枝市長）、石垣祐市、川端信正、鈴木昭儀、今村政司、上原孝男、沢木久雄、野田靖博、池谷正子、上藤美紀代、首藤美貴、長谷川玲子、宮田晶子、鈴木通代といった多くのSBS関係者が出演し、番組を支えました。姉妹番組の『SBS土曜スコープ』や『SBS土曜夕刊スポーツ&ニュース』にも、伊藤充宏記者や小沼みのりアナウンサーなどが出演していました。

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