SCジョンソン

S.C.ジョンソン・アンド・サンの概要

S.C.ジョンソン・アンド・サン(S. C. Johnson & Son, Inc.)は、アメリカ合衆国のウィスコンシン州ラシーンに本社を置く、世界的な日用消費財メーカーです。一般的にはSCジョンソンとして知られ、多岐にわたる製品を手掛けています。2023年時点で、従業員数は13,000人を超え、売上高は約100億米ドルに達しています。ジョンソン家が全株式を所有する非公開企業であり、家族経営が続いています。

設立と歴史

この企業の始まりは1886年に遡り、サミュエル・カーティス・ジョンソン・シニアがラシーン・ハードウェア・マニュファクチャリング社のセールスマンとして活動している頃に、床材事業を引き継ぎ、ジョンソンズ・プリペアード・ペースト・ワックス・カンパニーとして独立したことから始まりました。業界内でもアメリカで最も古い家族経営の企業の一つとされています。

創業当初は寄木張りフローリングが主な商品でしたが、その後清掃用ワックスや仕上げ材も製造するようになりました。1906年にはハーバート・フィスク・ジョンソン・シニアがビジネスパートナーとなり、社名を現在のS.C.ジョンソン・アンド・サンに変更。1914年には最初の海外子会社をイギリスに設立し、企業は急速な成長を遂げることになります。

1932年には、グロコート(Glo-Coat)という主力製品を展開し、その成功により世界恐慌の中でも会社は成長を続けました。また、1935年にはハーバートの息子、ハーバート・フィスク・ジョンソン・ジュニアがワックスの原材料供給を目的にブラジルに向けて出発し、持続可能な供給網を築くことに成功しました。

メディアとスポンサーシップ

1935年から1950年にかけてラジオ番組『フィバー・マギー・アンド・モーリー』のスポンサーを務め、その後も多くのテレビ番組に広告を提供してきました。1950年代にはABCのクイズ番組や、NBCのドラマ、CBSのバラエティ番組などで存在感を示しました。

本社とその特徴

1939年には著名な建築家フランク・ロイド・ライト設計による本社ビルが完成。1950年までに研究棟も整備され、1974年にはこの本社ビルがアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定されるまでに至ります。

製品の多様化と企業成長

1955年には、現代の指導者の第4代サミュエル・カーティス・ジョンソン・ジュニアのもとで新たに殺虫剤「Raid House & Garden Bug Killer」を発売し、同社の製品ラインナップに新風を吹き込みました。これを契機に、同社はワックスに依存しない戦略へと舵を切ります。

主な買収とブランド

S.C.ジョンソンは、企業成長の一環として様々なブランドを買収しています。たとえば、1992年にはウィンデックスやドラノなどを製造するドラケットを買収し、1998年にはダウ・ケミカルからジップロックやファンタスティックなどを手に入れました。また、家庭用洗剤の大手ブランドであるCaldreaとMrs. Meyers Clean Dayも2008年に傘下に加えています。

同社が展開するブランドには、サランラップ（日本では旭化成ホームプロダクツが製造）、ジップロック、グレード（芳香剤）、KIWI（靴洗浄剤）、カビキラー（Mr Muscle）、スクラビングバブルなどがあります。

まとめ

S.C.ジョンソン・アンド・サンは、その独自の家族経営モデルと多様な製品群によって、125年以上にわたって安定した成長を遂げてきました。これからも、家庭の日常生活を豊かにする製品を提供し続ける企業として期待されます。

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