SE3

SE3（エスイースリー）は、京都コンピュータ学院によって開発・公開されたMS-DOS対応のテキストエディタです。同学院の情報科学研究所に所属していた研究員の芦達剛氏と伊澤麗一氏によって開発されました。SE3の最大の特徴は、スクリーンエディタとして、画面を2分割して2つのテキストファイルを同時に編集できる点にあります。この機能により、ユーザーは効率的なテキスト編集作業を行うことができました。

開発の背景には、学生に不正コピー品を使わせたくないという意図がありました。そのため、SE3はフリーウェアとして公開されました。この決定は、結果的にSE3の普及を大きく後押しすることになりました。

当時、SE3はNEC PC-98シリーズ、東芝J-3100シリーズ、富士通FM-Rシリーズ、富士通FM-TOWNSシリーズ、日立B16シリーズ、松下電器産業U1シリーズ、PC/AT互換機|PC_AT互換機、AX、DOS/V|DOS_Vなど、多岐にわたる機種に対応していました。この幅広い対応機種の存在が、SE3が多くのユーザーに受け入れられる大きな理由の一つとなりました。また、オンラインソフトウェアを扱った書籍やパソコン雑誌の付録として収録されたことも、普及に拍車をかけました。

SE3は、機種によってモノクロ版とカラー版が存在しました。この柔軟性も、ユーザーの環境に合わせた利用を可能にし、普及に貢献しました。

1995年頃には実質的な開発は終了しましたが、現在（2022年）でもVectorなどのサイトからダウンロード可能です。これは、SE3が長年にわたり多くのユーザーに支持されてきた証拠と言えるでしょう。

関連事項として、SE3の開発者である芦達剛氏は、後にテクノブレインという会社を設立しています。テクノブレインは、航空管制や鉄道運行シミュレーションなどの分野で事業を展開しており、芦氏の幅広い技術力が窺えます。

SE3は、その開発経緯、機能性、そして幅広い機種への対応から、MS-DOS時代のテキストエディタとして、多くのユーザーに支持されてきた歴史的なソフトウェアです。現在もダウンロードできることは、その価値が今もなお認められていることを示しています。

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