SEAL輸送潜水艇

SEAL輸送潜水艇（SDV）の概要

SEAL輸送潜水艇（SEAL Delivery Vehicle、略称SDV）は、アメリカ海軍の特殊部隊であるSEALs専用に設計された小型潜水艇です。この艇は、特殊作戦における潜水兵員の輸送および撤収を目的としており、そのために水中での機動性と隠密性に優れています。SDVは、パイロットと副パイロットの2名と最大4名の潜水チームを乗せることができ、必要な装備を含めた輸送が可能です。

特徴と機能

SDVは、水中および陸上の目標に対して兵士を把握いるための圧縮空気を内部に蓄えています。この機能により、潜水兵員は自身の空気タンクやリブリーザーの範囲を超えて活動することができるため、任務の幅が大きく拡張されます。また、SDVは極秘な作戦を遂行するために設計されており、敵からの注意を引かない形で行動できるよう工夫されています。特に立ち入り制限区域などでの活動に適しています。

この艇は、SDV用の発進・回収設備を備えた水陸両用輸送艇や潜水艦の後部に取り付けられたドライデッキ・シェルターから発進することが一般的です。無人状態の場合、C-130ハーキュリーズ輸送機から空中投下することも可能です。

開発史

SDVの開発は第二次世界大戦にさかのぼり、戦時中から潜水破壊チームのために多様な潜水艇が試作されました。戦後も様々な部隊によって小規模な開発が続き、古くはマーク5からマーク12までの型が存在しました。これらはすべて浸水型の設計であり、対潜作戦に特化しています。

現在装備されているSDVは主に改良型のマーク8で、特にマーク8改1型が現行のモデルとしてアメリカ軍に採用されています。この艇にはデュアル・スライド・キャノピーや緊急脱出用ハッチが備えられており、流動的な戦場においての履行能力が向上しています。

メディアでの登場

SDVは映画やゲームなどのメディアにも登場します。例えば、映画『ネイビーシールズ』では、マーク8改1型がテロリストの基地に潜入する際に使用されています。また、ゲーム『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』でも、SEALsが搭乗した潜水艇として登場するなど、様々な形でその存在が描かれています。

結論

SEAL輸送潜水艇（SDV）は、アメリカ海軍特殊部隊が極秘作戦を遂行するために不可欠な装備として位置づけられています。その設計は、潜水兵員の活動範囲を広げるだけでなく、任務の成否を左右する重要な要素となっています。

もう一度検索