SELF AND OTHERS

SELF AND OTHERS

『SELF AND OTHERS』は、著名な写真家牛腸茂雄による代表的な写真集で、1977年に自費出版として白亜館から発刊されました。序文は、写真家かつ写真評論家である大辻清司が寄せています。この作品は、コンポラ写真を代表するものであり、牛腸と被写体との間にある微妙な距離感が表現されています。

写真集の内容

この写真集に登場する被写体は、牛腸の同級生や親族、そして師匠である大辻清司の子どもなど、彼にとって身近で大切な人々です。彼が捉える日常の一瞬一瞬には、彼らとの関係性が映し出され、単なる肖像としての写真以上の深い物語が込められています。牛腸茂雄の独特の視点や感受性が感じられるこの作品は、当時の時代背景や人間関係を反映し、個々の被写体に命を吹き込むものとなっています。

再刊版について

1992年には季刊写真誌『deja-vu』の8号において牛腸茂雄特集が組まれたことを受けて、彼の作品が改めて評価されました。これにより1994年には未來社から新装版として再刊され、写真家三浦和人が新たにプリントを手掛け、さらに巻末には評論家飯沢耕太郎による「牛腸茂雄ノート」や、特集号に掲載された年譜が追加されています。また、2004年には新潟市美術館、三鷹市美術ギャラリー、山形美術館にて行われた展覧会を記念して『牛腸茂雄作品集成』も出版されています。

映画について

また、牛腸茂雄をテーマにしたドキュメンタリー映画も制作されました。この映画は、2001年に公開され、53分のモノラルでスタンダードサイズの映像となっています。監督は佐藤真、撮影には田村正毅、録音には菊池信之などの著名なスタッフが参加しました。さらには、声の出演として西島秀俊と牛腸茂雄自身が参加しており、作品の深さを際立たせています。この映画は、彼の作品や人生観を映し出すもので、後世にわたってその影響を与え続けています。

総括

『SELF AND OTHERS』は、ただの写真集ではなく、牛腸茂雄自身の内面や彼が大切にしている人々との関係が感じられる作品です。彼の作品を通じて、私たちは彼の日常や思考に触れ、同時に彼が感じる距離感や人とのつながりを体験することができます。写真集と映画の両方から、多様な視点で彼の世界観を知ることができるのは非常に貴重な体験と言えるでしょう。

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