SEPECAT ジャギュア

SEPECAT ジャギュア

SEPECATジャギュアとは、イギリスとフランスによって開発された訓練機および超音速攻撃機です。この機体の名称は、ジャガーに由来し、英語では「ジャギュア」と表記されます。

開発の背景

1965年、イギリスでは高等練習機が求められ、フランスでは軽攻撃機の必要性があったことから、両国の利益が一致し、共同開発が決定されました。イギリスではBAC社、フランスからはブレゲー社が選ばれ、翌1966年にはSEPECAT社が設立されました。最初の試作機は1968年に初飛行し、その後も順調に開発が進められました。

イギリス空軍においては、165機の単座タイプ（ジャギュア S）と35機の複座タイプ（ジャギュア B）が調達されることとなり、フランス空軍も同様に調達を行いました。1973年には正式に両空軍に配備が開始されました。

機体の特性

ジャギュアは、アドーアエンジンを2基搭載し、やや下反角のある高翼配置の主翼を持っています。主翼は強度を重視した削り出し一体構造で、イギリス空軍ではAAMランチャー付きパイロンを装備することができました。また、ロール制御にはスポイラーとテイルロンを併用しています。

ジャギュアのデザインは、バリエーションはあるものの、三菱製のT-2/F-1との共通点が多く、両者は攻撃機や練習機として利用されています。ジャギュアは攻撃機から派生した機体ですが、T-2/F-1は逆に練習機がのちに支援戦闘機として使われるようになりました。

運用実績

ジャギュアは湾岸戦争やコソボ紛争などで実戦に投入され、イギリス空軍では高等練習機としての役割も果たしました。フランス空軍においては、一時期核攻撃機としての運用も行われましたが、その役割はミラージュ2000Nに引き継がれています。

インド空軍では、1980年代からライセンス生産が行われ、シャムシャーという名前で運用されており、特にカルギル戦争などではその能力を発揮しました。近年、インド空軍のシャムシャーの近代化改修が計画されていましたが、コストの問題から最終的に断念された経緯もあります。

派生型

様々な派生型が存在するジャギュアには、イギリス空軍向けのジャギュア S（GRMk.1）や、フランス空軍向けのジャギュア Aなどがあります。また、インドで生産されたジャギュア ISもあり、異なるバリエーションがそれぞれのニーズに応じて開発されてきました。

まとめ

SEPECATジャギュアは、イギリスとフランスの技術合作の象徴ともいえる機体で、多様な運用が可能なモデルとして長い歴史を持っています。現在でもいくつかの国で使用されており、その存在は航空機の進化において欠かせないものとなっています。

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