SH-06C

ドコモPROシリーズSH-06C：日本で初めて内蔵プロジェクターを搭載した携帯電話

2011年2月4日にNTTドコモから発売されたシャープ製携帯電話、docomo PRO series SH-06Cは、その名の通りドコモのPROシリーズに属する端末です。本機最大の特徴は、日本で初めて携帯電話本体に小型プロジェクターが内蔵されていた点にあります。

プロジェクター機能

SH-06Cは、ワンセグ放送や撮影した写真、動画などをnHD（640×360ドット）の解像度で投影可能です。プロジェクターは本体上部に配置されており、壁やスクリーンなどに映像を投影できます。ワンセグや写真だけでなく、Blu-rayレコーダーから転送した映像、メール画面、ブラウザ画面、メニュー画面など、ディスプレイに表示されるほとんどのコンテンツを投影することができました。

さらに、WordやPowerPointファイルを表示できるドキュメントビューアーやPDFビューアーも搭載していたため、プレゼンテーションなどビジネスシーンでの利用にも適していました。プロジェクター使用時のバッテリー駆動時間は、約100分から120分程度でした。

デザインと操作性

兄弟機種であるSH-05Cとほぼ同じ形状で、静電式フルタッチパネルを採用した3.7インチの大型液晶ディスプレイを搭載していました。テンキーはなく、スマートフォンと同様にタッチパネル操作がメインでした。文字入力は、QWERTYキーボードやテンキー形式のソフトキーボードを使用し、テンキー入力ではフリック入力にも対応していました。ハードキーは、通話ボタンと音量調節ボタンの2つのみとシンプルに設計されていました。

カメラ機能

SH-05Cと比較するとカメラ機能は簡素化されていましたが、被写体認識機能や、ペットにフォーカスを合わせるペットフォーカス機能を搭載していました。また、ゴルフスイングビデオカメラ機能により、スイングを動画で撮影し、スローモーション再生でフォームを比較するなど、スポーツ愛好家にも便利な機能を備えていました。

その他の機能

Bluetooth、おサイフケータイ、ワンセグ、GPSなどにも対応し、AQUOSファミリンク機能も搭載していました。国際ローミングは3Gローミングに対応し、850MHz帯の3Gローミングにも対応していました。音響面では、仮想5.1ch対応のドルビーモバイルを搭載しており、プロジェクターで再生した動画を立体的なサウンドで楽しむことが可能でした。ドコモマーケットへのアクセスも可能で、様々なアプリケーションを追加して利用することができました。

シリーズの終焉

docomo PROシリーズは、2011年夏モデルが発売されず、同年10月18日に秋冬モデル発表と同時にシリーズの廃止が発表されました。そのため、SH-06CはPROシリーズの最終機種となりました。

まとめ

SH-06Cは、日本で初めて携帯電話本体にプロジェクターを搭載した画期的なモデルでした。ビジネスシーンでの利用を想定した機能と、フルタッチパネルによる直感的な操作性は、当時としては先進的なものでした。しかし、スマートフォンの普及により、PROシリーズ自体が廃止されたことは、時代の流れを感じさせる出来事でした。この端末は、携帯電話の歴史における重要な1ページを飾るモデルと言えるでしょう。

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