SH-60K (航空機)

SH-60K 哨戒ヘリコプター

SH-60Kは海上自衛隊が運用する哨戒ヘリコプターであり、その開発は三菱重工業と防衛庁の共同作業により行われました。基本的には米国のシコルスキー社が開発したSH-60Bを基にしたSH-60Jを元に、運用能力の向上と搭載システムの強化を追求したモデルです。1991年にSH-60Jが部隊使用承認を受けて以来、次世代機の要請に基づいてSH-60Kの開発が進められました。

歴史的経緯

HSS-2Bの後継機としてSH-60Jが導入されたが、翌々年度にはその除籍が予定されていたため、海上自衛隊は新たな後継機の検討に着手しました。基盤となる技術とコンセプトはSH-60Jに依拠しつつも、更なる能力向上を目指すことが求められました。特に、SH-60Kでは高性能なオプションがいくつも追加され、運用情報処理系やセンサー機能が大幅にアップグレードされています。

1996年3月には技術開発要求書が発出され、1997年には三菱重工業が開発を担当する事が決定され、2001年には初飛行を果たしました。その後、実用試験を経て、2005年に部隊使用承認を受け、正式に配備が開始されました。

設計と特徴

SH-60Kは、 SH-60Jの機体フレームを基にしつつも、キャビンの前方延長や高さの拡大などの改良が施されました。これにより、多様な作戦器材を搭載しやすく、作業時の操作性が改善されています。キャビンの床面積も拡大し、搭乗可能な乗員数が増え、ワークロード軽減のために乗員が増員されています。

SH-60Kは、エンジンにT700-IHI-401C2を搭載し、出力が強化されています。また、高性能なローターの導入によって機体の空力性能も向上し、揚力が増大しており、最大設計重量も増加しています。

装備

アビオニクスシステムはAHCDS（Advanced Helicopter Combat Direction System）を中心に、情報処理能力が高められています。これにより、操縦士は統合的な情報を確認しつつ、効率的にミッションを遂行できます。

センサーも大幅に刷新されており、逆合成開口レーダーや吊下式ソナーに加え、機首部にAN/AAS-44 FLIRを装備しています。これにより、昼夜を問わず、さらには悪天候下でも優れた探知能力が発揮されます。

兵装

SH-60Kは様々な兵装を搭載することが可能で、従来の魚雷や機関銃に加え、より多様なミサイルシステムにも対応しています。これにより、様々な作戦要求に柔軟に対応できる能力を保持しています。さらに、自己防御機能も強化されており、ミサイル警報装置やチャフ・フレア発射装置が搭載されています。

運用と未来

SH-60Kは現在73機が海上自衛隊に配備されており、海洋の安全保障に大きく貢献しています。将来的には、さらなる機能向上を目指したSH-60Kの能力向上型の開発も進行中です。

このように、SH-60Kは海上自衛隊の哨戒任務において欠かせない存在となっており、技術の進歩とともにその役割はますます重要になっています。

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