SHINE (アルバム)

LUNA SEAの代表作『SHINE』：圧倒的なスケールと楽曲の深淵

LUNA SEAの6枚目のオリジナルアルバム『SHINE』は、2000年3月1日に発表された、バンドのキャリアにおいて重要な位置を占める作品です。全13曲、70分を超える収録時間は、それまでのオリジナルアルバムと比較しても群を抜いており、LUNA SEAの音楽的野心を端的に示しています。そして、このアルバムは、同バンドのオリジナルアルバムの中で最大の売上を記録した作品としても知られています。

2007年12月5日には、最新のデジタルリマスタリング音源と「STORM」「SHINE」「I for You」のミュージックビデオを収録したDVDとの2枚組として、ユニバーサルミュージックより再発売され、新たな世代のリスナーにも広く受け入れられました。

楽曲群：多様な魅力が凝縮された13の物語

『SHINE』に収録されている楽曲は、それぞれに個性豊かな魅力を放っています。

Time Has Come: アルバムの幕開けを飾るこの曲は、時計の針の音とメンバーの心臓の鼓動という印象的なイントロから始まります。2010年の「REBOOT」ツアーでは、RYUICHIによるアカペラバージョンが披露され、聴衆を魅了しました。
STORM: 9thシングルとしてリリースされ、1998年4月度の『ポップジャム』テーマソングにも起用された、バンドの代表曲の一つです。
NO PAIN: 戦争をテーマにした、LUNA SEAにおいて初めて子供コーラスが使用された楽曲。そのメッセージ性の強さと音楽性の高さは、多くのリスナーの心に深く刻まれました。
SHINE: アルバムタイトルにもなっているこの曲は、トヨタ自動車「インテリジェントナビゲーション」のCMソングとして起用され、シングルリリースはされませんでしたが、広く知られる存在となりました。
I for You: 11thシングルとしてリリースされた、フジテレビ系ドラマ「神様、もう少しだけ」の主題歌。ドラマの世界観と見事に融合した、名バラードとして多くのファンに愛されています。
Unlikelihood: キリンビバレッジ「ジェットライム」CMソング（RYUICHI出演）。英詞はJが担当し、バンドの幅広い表現力を示す一曲です。
ANOTHER: SUGIZOのヴァイオリン演奏と女性シンガー（山根麻衣）のフェイクが印象的な楽曲。独特の雰囲気を持つこの曲は、アルバム全体における重要なアクセントとなっています。
MILLENNIUM: SUGIZOが命名したこの曲は、「千年に一度」という意味が込められています。壮大なスケール感と、バンドの未来への展望を感じさせる一曲です。
BROKEN:
VELVET:
Love Me: 冒頭のSEは、ヴォコーダーとテルミン、そして前曲「VELVET」のギターソロをサンプリングした、複雑で奥深い構成が特徴です。2023年5月には、ユニバーサル ミュージック グループが公開したオンライン限定のコンピレーションアルバム「Striking Tunes Vol.2」にも収録されました。
BREATHE: RYUICHIとINORANによる共作の歌詞を持つこの曲は、後にバラードベストアルバム「SLOW」に収録され、ミュージックビデオも初収録されました。ディズニー映画「ムーラン」のイメージソングとしても起用され、日本版サウンドトラックにはストリングスを加えたバージョンがボーナストラックとして収録されています。「REBOOT」ツアーでは、ギターとベースは半音下げチューニング、ボーカルも半音下げで演奏されました。
* UP TO YOU

レコーディングとメンバーの評価

SUGIZOは、リリース後のインタビューで「『SHINE』は全体的にグルーヴ不足」と率直に語っています。楽曲のクオリティの高さを認めながらも、レコーディングにおける表現力の不足を指摘し、ツアー後にレコーディングすべきだったという意見も述べています。しかし同時に、「Time Has Come」を4thアルバム『MOTHER』収録の「LOVELESS」に匹敵する最高のオープニングナンバーだと評価するなど、楽曲そのものへの高い評価は揺るぎないものです。

まとめ：時代を超えて愛される名盤

『SHINE』は、単なるアルバムという枠を超え、LUNA SEAの音楽性、表現力の幅広さを示す、記念碑的な作品と言えるでしょう。そのスケールの大きさ、楽曲の多様性、そしてメンバーの葛藤と情熱が凝縮されたこの作品は、今もなお多くのリスナーから愛され続けています。 様々な楽曲の背景や制作秘話を知ることで、『SHINE』の魅力はさらに深まるでしょう。

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