SIDE LINE

おニャン子クラブ4thアルバム『SIDE LINE』：アイドル黄金期の記録

1987年2月21日、日本の国民的アイドルグループ、おニャン子クラブの4枚目のオリジナルアルバム『SIDE LINE』がキャニオン・レコードよりリリースされました。前作『PANIC THE WORLD』から約7ヶ月ぶりとなる本作は、同グループのオリジナルアルバムとしては唯一、シングルA面曲を収録していない点が大きな特徴です。

アルバムジャケットは、表にはメンバー全員の幼少期の貴重な写真が使用され、裏返すと一転して、ウエディングドレス姿の彼女たちが写し出されています。この対照的なデザインは、当時大きな話題を呼び、アルバムの世界観を象徴するものでした。

収録曲は、LP盤とCD盤で曲順が異なっています。これは、演奏時間の都合によるもので、収録されている楽曲自体は同一です。1987年1月21日にリリースされた最新シングル「NO MORE 恋愛ごっこ」は収録されていませんが、同シングルのB面曲である「あなただけおやすみなさい」は、アルバムバージョンとして収録されています。また、3代目会員番号の唄として知られる「新・新会員番号の唄」が、おニャン子クラブの作品として初めて収録されたことも特筆すべき点です。

楽曲の作詞は、秋元康氏が担当しており、作曲や編曲には、後藤次利氏、見岳章氏、白井良明氏、高橋研氏、佐藤準氏、山川恵津子氏、松尾清憲氏など、当時の音楽シーンを彩った錚々たる面々が参加しています。それぞれの楽曲は、おニャン子クラブのメンバーたちが、グループ内ユニットやソロボーカルで歌い分けており、彼女たちの歌唱力と個性豊かな表現力を堪能できる作品となっています。

例えば、「雨のメリーゴーランド」では永田ルリ子、岩井由紀子、白石麻子、生稲晃子といったメンバーが、また「ポップコーン畑でつかまえて」では渡辺満里奈、貝瀬典子、斉藤満喜子といったメンバーが、それぞれの持ち味を生かしたボーカルパフォーマンスを披露しています。「ポップコーン畑でつかまえて」のタイトルは、J・D・サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』のパロディである点も興味深いところです。

『SIDE LINE』は、オリコンアルバムチャートで1位を獲得し、1986年3月10日にリリースされた『夢カタログ』以来となるトップの座に輝きました。これは、おニャン子クラブの人気の絶頂期を象徴する出来事であり、本作が当時のアイドルシーンにおいて大きな影響を与えた作品であったことを示しています。

このアルバムは、単なるアイドルソングの集大成ではなく、当時のおニャン子クラブの勢いと、彼女たちの多様な魅力を凝縮した、まさにアイドル黄金期を代表する名盤と言えるでしょう。現在でも、多くのファンから愛され続けており、当時の音楽シーンを振り返る上で欠かせない作品となっています。 また、関連作品として、ベストアルバムやシングルコレクションなども多数リリースされており、おニャン子クラブの音楽を幅広く楽しむことができます。

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