SLAM (ミサイル)

SLAM（スタンドオフ型対地攻撃ミサイル）

SLAMはアメリカ海軍により運用される空対地ミサイルであり、その名前は"Standoff Land Attack Missile"の頭文字を取ったものです。英語の「強打する」や「圧勝する」といった意味も持つこの武器は、1980年代に開発が始まり、1990年に実戦配備されました。

このミサイルは、もともとAGM-84ハープーン対艦ミサイルを基盤に、大規模な改造を施したもので、コスト効率を考慮して様々な部品が流用されています。具体的には、ミサイル本体とエンジンはハープーンから流用され、赤外線画像シーカーはAGM-65マーベリックが採用されています。また、データリンク装置においてはAGM-62ウォールアイ誘導爆弾が使用されています。

SLAMの誘導方式は、ハープーンとは異なり、初期誘導にGPSと慣性誘導を、最終段階には赤外線画像誘導を採用しています。これにより、より精密な攻撃が可能となっています。

その後、AGM-84Eの改良版であるAGM-84H SLAM-ER（SLAM-Expanded Response）が開発され、1999年に配備が始まりました。この改良型は、外観においてトマホーク巡航ミサイルの主翼を改造したものを装備しており、この主翼は発射前に折り畳むことが可能です。また、赤外線画像シーカーの形状も改良され、視界を確保できるように機首部分が大きく変更されています。

さらに、AGM-84Hの自立攻撃機能を強化したAGM-84K SLAM-ER ATA（Automatic Target Acquisition）も存在します。このバージョンは自動的に目標を選択・捕捉できる能力を持ち、搭乗員の負担を軽減する設計がされています。ただし、状況に応じて搭乗員が手動で目標を選ぶことも可能です。

運用国

SLAMは多くの国において運用されており、具体的には以下の国々が含まれます：

• - アメリカ合衆国（アメリカ海軍・アメリカ空軍）
• - サウジアラビア（サウジアラビア空軍）
• - 韓国（大韓民国空軍）
• - トルコ（トルコ空軍）
• - アラブ首長国連邦（アラブ首長国連邦空軍）

関連項目

SLAMは、様々な対地攻撃の武器システムと関連しています。これには、もともとのAGM-84ハープーンや、AGM-65マーベリック、AGM-62ウォールアイなどのミサイルが該当します。

最新情報や詳細については、ボーイング社やその他の軍事関連資料を参照することが推奨されます。SLAMはその高い精度と自立攻撃機能により、現代の戦争において重要な役割を果たしています。

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