SOPHIE

SOPHIE（フランス語: Spectrographe pour l’Observation des Phénomènes des Intérieurs stellaires et des Exoplanètes）は、フランス南東部にあるオート＝プロヴァンス天文台の1.93メートル望遠鏡に搭載された、高分解能エシェル分光器です。この装置は、星震学と視線速度法という二つの観測手法を通じて、太陽系外惑星の検出を行うことを主な目的としています。SOPHIEは、以前使用されていたELODIEという装置を置き換えるために、その設計を基にして開発されました。2006年10月からは、広く天文コミュニティに観測機会が提供されています。

特徴

SOPHIEは、波長387.2ナノメートルから694.3ナノメートルまでの可視光スペクトルを観測することが可能です。観測対象となる天体からの光は、1.93メートル望遠鏡のカセグレン焦点から光ファイバーを通じて装置に導入されます。この光ファイバーには2つのセットがあり、これを選択することで、波長分解能の異なる2つのモード（HRモードとHEモード）を切り替えることができます。装置の制御はすべてコンピューターによって自動化されており、観測データはCCDリードアウトサイクルごとに、専用のデータパイプラインによって自動的に処理されます。

観測モード

SOPHIEには、以下の2つの観測モードがあります。

HRモード (高分解能モード)
HRモードは、高分解能での観測を目的としたモードです。40マイクロメートルの出口スリットを使用し、波長分解能 R = 75,000を実現します。

HEモード (高効率モード)
HEモードは、入射光を効率的に利用できるため、暗い天体の観測に特に適したモードです。HRモードと比較してより多くの光を捉えることができ、波長分解能は R = 40,000です。

主要な構成要素

SOPHIEに搭載されている主要な構成要素は以下の通りです。

エシェル回折格子:
R2型エシェル回折格子は、Richardson Gratings社によって製造されたものです。1ミリメートルあたり52.65本の溝があり、ブレーズ角は65度です。サイズは20.4×40.8センチメートルで、固定された配置で使用されます。

検出器:
検出器には、E2V Technologies社製のtype 44-82 CCD検出器（画素数4096×2048）が使用されています。この検出器は、摂氏-100度の恒温環境に保たれています。スペクトルは41本の干渉縞として検出器上に投影され、そのうち39本がデータ抽出に使用されます。これにより、波長387.2ナノメートルから694.3ナノメートルのスペクトルを取得します。

性能

SOPHIEの性能は、信号雑音比と視線速度の安定性によって評価できます。

信号雑音比:
可視光（Vバンド）における見かけの等級が14.5の天体をHEモードで90分間観測した場合、画素当たりの信号雑音比は27に達します。

視線速度の安定性:
分光器の安定性は、視線速度観測で達成可能な最小の視線速度の分散で評価されます。HRモードでは、短期的な視線速度の分散は秒速1.3メートル、長期的には秒速2メートルを達成しています。

参考文献

SOPHIE ホームページ（外部リンク参照）

関連項目

CORALIE
高精度視線速度系外惑星探査装置 (HARPS)

外部リンク

SOPHIE Home Page

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