オート＝プロヴァンス天文台

オート＝プロヴァンス天文台（Observatoire de Haute-Provence: OHP）は、フランス南東部、アルプ＝ド＝オート＝プロヴァンス県に位置する天文学研究施設です。1937年にフランスの天文学者のための施設として設立され、1943年から観測を開始しました。当初は1.2mの望遠鏡が使用されていましたが、その後、複数の望遠鏡が導入され、現在に至ります。

設立当初はフランスの研究者のみが利用していましたが、1949年からは、ジェフリー・バービッジやマーガレット・バービッジといった、海外の研究者も利用するようになりました。これは、天文学の国際的な共同研究が進む上で、重要な転換点となりました。

天文台の所在地は、アヴィニョンの東90km、マルセイユの北100kmに位置し、北緯43.935°、東経5.699°、標高650mの高地にあります。この場所は、天文観測に適した天候条件を備えていることで選ばれました。平均して、夜間の60％が天体観測に適しており、特に夏から秋にかけては最適な季節で、平均170日が快晴となります。

天文台の主要な設備としては、1.93m、1.52m、1.20m、0.80mの4台の反射望遠鏡が挙げられます。中でも、1.93m望遠鏡は、グラブ・パーソンズ社によって1958年に設置され、観測に大きく貢献しています。この望遠鏡に搭載されたELODIE分光器は、ミシェル・マイヨールとディディエ・ケローが、太陽系外の恒星ペガスス座51番星の惑星、ペガスス座51番星bを発見する際に使用されました。この発見は、系外惑星研究の歴史において非常に重要な出来事であり、オート＝プロヴァンス天文台の国際的な名声を高めることにもなりました。

オート＝プロヴァンス天文台は、長年にわたり、数多くの天文学的発見に貢献してきました。その観測データは、天文学の進歩に不可欠であり、今後も、宇宙の謎を解き明かすための重要な役割を担っていくことでしょう。

Observatoire de Haute-Provence

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