SOPPO

ツイスト「SOPPO」

1970年代後半から1980年代にかけて、日本のロックシーンにおいて絶大な人気を誇ったバンド、ツイスト（正式名称は世良公則&ツイスト）が、1979年10月に通算6枚目のシングルとして発表した楽曲が「SOPPO」（ソッポ）です。この楽曲は、彼らのキャリアの中でも特に重要な位置を占める作品の一つとして知られています。

楽曲概要

このシングルには、表題曲である「SOPPO」と、カップリング曲として「晩炎－BURNING POINT－」が収録されています。それぞれの楽曲の具体的な情報は以下の通りです。

A面曲：「SOPPO」
収録時間：4分19秒
作詞・作曲：ツイストのボーカリストとして、また日本のロック界を代表するアーティストとして活躍する世良公則が手掛けました。彼の持つ力強い歌声と表現力が最大限に活かされています。
編曲：バンド自身とTocheが共同で行っています。当時のツイストらしいバンドサウンドを基調としながらも、楽曲の世界観を深める緻密なアレンジが施されています。

B面曲：「晩炎－BURNING POINT－」
収録時間：3分37秒
作詞・作曲：バンドのメンバーであるふとがね金太が担当しました。
編曲：「SOPPO」と同様に、ツイストとTocheによる共作です。

両曲ともに、ツイストの音楽的な幅広さと、各メンバーの才能が融合した結果生まれた楽曲と言えるでしょう。

商業的成功と歴史的意義

「SOPPO」はリリースと同時に大きな反響を呼び、日本の主要な音楽チャートであるオリコン週間シングルチャートにおいて、高い順位を記録しました。この楽曲がツイストのキャリアにおいて持つ最も特筆すべき歴史的な意義は、彼らにとってオリコン週間シングルチャートで最後に週間トップ10圏内に入ったシングルであるという点です。1970年代から1980年代初頭にかけて、ツイストは日本の音楽シーンの最前線で活躍し、数多くのヒット曲を世に送り出してきましたが、「SOPPO」はまさに、彼らの絶頂期におけるヒットチャートアクションの一つの終幕を飾る作品となりました。これは、バンドの活動史を振り返る上で、一つの区切りを示す象徴的な楽曲として位置づけられています。商業的な成功に加え、ツイストというバンドのキャリアパスにおける重要な節目を示す作品として、音楽史にその名を刻んでいます。

後世への影響とカバーバージョン

「SOPPO」の楽曲としての魅力は、オリジナルがリリースされた当時のみに留まらず、時代を超えて多くの人々に聴き継がれ、影響を与えています。その顕著な例として、1988年に歌手の小泉今日子が自身のカバーアルバム『ナツメロ』の中でこの楽曲をカバーしたことが挙げられます。『ナツメロ』というタイトルが示すように、このアルバムには日本のポピュラー音楽史における往年の名曲が多数収録されており、「SOPPO」がその一曲として選ばれたことは、発表から約10年を経て、既にこの楽曲が多くの人々の記憶に残る普遍的なメロディとして認識されていたことを物語っています。小泉今日子によるカバーは、オリジナルの力強いロックサウンドとは異なるアプローチで楽曲を表現し、新たな世代のリスナーに「SOPPO」の存在とその魅力を伝える役割を果たしました。これにより、楽曲が持つ多面的な可能性や、時代を超えて愛される普遍性が改めて証明されたと言えるでしょう。

個人の音楽キャリアに与えた影響

「SOPPO」にまつわる個人的なエピソードとして、特に興味深いのは、著名な音楽評論家であり、自身もギタリストとして活動するスージー鈴木氏が、この楽曲を自身の音楽的な原点の一つとして挙げていることです。スージー鈴木氏は、「SOPPO」の間奏部分で披露される、ツイストのギタリストである松浦善博氏によるギターソロに深い感銘を受けたと語っています。松浦氏の表現力豊かな、心に響くギタープレイが、当時の彼にとって非常に印象深く、それが自身がギターという楽器に触れ、演奏を始めるための決定的なきっかけとなったそうです。一つの楽曲、さらに言えばその楽曲の中の特定のインストゥルメンタルパートが、後の音楽評論家やプレイヤーの人生を方向付ける大きな影響力を持つという事実は、「SOPPO」という楽曲が持つ音楽的な質や表現力が、単なるヒットソングという枠を超えた、深い感動や影響力を持っていたことの証と言えます。これは、「SOPPO」がリスナー個人の体験にも深く関わる、忘れられない楽曲であることを示す素晴らしいエピソードです。

まとめ

ツイストが1979年にリリースしたシングル「SOPPO」は、彼らの音楽キャリアにおいて、オリコン週間チャートでの最後のトップ10入りを記録したという歴史的な意義を持つ楽曲です。商業的な成功に加えて、1988年には小泉今日子によってカバーされるなど、後世にも影響を与え続ける普遍的な魅力を持っています。さらに、音楽評論家のスージー鈴木氏が、間奏のギターソロに触発されてギターを始めたというエピソードは、この楽曲が持つ音楽的な力が、人々の人生に具体的な影響を及ぼす可能性を示しています。「SOPPO」は、単なるヒット曲としてだけでなく、ツイストというバンドのキャリアにおける重要な節目を示す作品であり、時代を超えて愛され、特定の個人の音楽体験にまで深く刻まれた、日本のロック史において語り継がれるべき一曲です。

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