SPAD (航空機メーカー)

SPAD：第一次世界大戦期のフランス航空機メーカー

SPADは、第一次世界大戦の時期に活動していたフランスの航空機製造会社です。この会社は、1910年にアルマン・ドゥペルデュサンによって設立されました。当初はSociété des Aéroplanes Deperdussinという名前でスタートし、その後、名前を変更してSociété Provisoire des Appareils Deperdussinとしました。この略称がSPADとして知られるようになりました。

設立当初から、SPADは航空機の設計と製造において高い評価を得ていました。特にルイ・ベシュローの設計による機体は、戦前から注目されており、ドゥペルデュサン・モノコック・レーサーなど、優れた性能を持つ航空機を作り出していました。しかし、経営の変化がこの会社に影響を与えることになります。

その後、アルマン・デュペルデュサンは不正行為により逮捕され、1914年にはルイ・ブレリオが会社を引き継ぎます。この際、会社名は航空機および関連製品株式会社（Société Pour Aviation et ses Dérivés）に変更されましたが、略称SPADはそのまま使用され続けました。ルイ・ブレリオのもとで、SPADは引き続きベシュローの設計した航空機を製造し続けました。

特に第一次世界大戦の中盤以降、SPADはフランス軍航空隊の主力戦闘機を多数開発しました。中でも、SPAD VIIおよびSPAD XIIIは、連合軍の成功に大きな役割を果たした重要な機体です。これらの航空機は、高い機動性と優れた火力を持ち、数多くのパイロットから支持を受けました。この時期、SPADはフランスにおける主要な戦闘機メーカーとして地位を確立しました。

1919年、ルイ・ベシュローがSPADを退職した後、設計業務はアンドレ・エルブモンに引き継がれることになります。これにより、SPADはさらなる発展を遂げますが、会社の運営体制には変化が生じます。1921年にはブレリオの一部門となり、SPADとしてのブランドが維持されました。

その後、1936年にフランス政府による航空機メーカーの国営化プログラムが実施され、SPADも影響を受けることになります。最終的には、ブレリオはSNCASO（Société Nationale de Constructions Aéronautiques du Sud-Ouest）に統合され、SPADの名前は本格的に歴史の幕を閉じることとなりました。

関連項目

• - 航空機メーカーの一覧
• - シュド・アビアシオン

SPADは、その設計と製造した航空機により、第一次世界大戦の航空機産業に大きな貢献をした企業として、現在でも多くの人々に記憶されています。

もう一度検索