SPG-9

SPG-9 無反動砲

SPG-9は、ソビエト連邦によって1960年代に開発された無反動砲であり、B-10無反動砲の後継モデルです。この兵器は、軽量でコンパクトな設計により、UAZ-469などの小型軍用車両には容易に搭載可能であり、また、歩兵2名による運搬も可能です。運搬から発射までの準備時間はわずか1分以内と、迅速な対応が特徴です。

この砲は、発射時に低初速で弾頭を装薬により撃ち出し、その後ロケットブースターに点火して加速する仕組みを採用しています。これにより、弾頭は高速度を実現し、優れた命中率を持つ一方で、軽量化も図られています。この特徴により、SPG-9の重量は従来のB-10の約半分にまで軽減されました。

さらに、弾薬の設計は非常にユニークです。SPG-9用の砲弾には、RPG-7やRPG-16で使用される弾頭と同じくロケットブースターと安定翼が装備されています。しかし、BMP-1歩兵戦闘車やBMD-1空挺戦闘車に搭載される2A28砲の弾薬とは形状が異なるため、互換性はありません。

SPG-9は、旧東側諸国に大量に供給され、ブルガリアやルーマニア、イランでもライセンス生産が行われました。ソビエト連邦軍及びロシア連邦軍では、アフガニスタン紛争や第一次チェチェン紛争で広く使用されましたが、1999年には第一線部隊から退役しました。しかし、現在でも世界各国で運用されています。

運用と弾薬

SPG-9の弾薬には、対戦車用の成形炸薬弾と、対人用の榴弾が準備されています。これにより、多様な戦術に応じて効果的に使用することが可能となっています。

例えば、キルギスにおいては2023年時点で、陸軍がこの兵器を保有しています。また、モルドバやロシアでも現役で運用されています。

芸術文化における登場

SPG-9は、様々なメディアでも取り上げられています。映画『ブラックホーク・ダウン』では、ソマリアの民兵がこの無反動砲を搭載したテクニカルを使用し、戦闘シーンの中で重要な役割を果たしました。さらに、ゲーム『ARMA 2』や『Project Reality』（BF2）にも登場し、プレイヤーが戦闘に使用することができます。

このように、SPG-9はその軽量性と高性能により、様々な運用シーンで今なお活躍し続けている兵器です。

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