SPHERE:建築家一族とヒップホップシーンを繋ぐクリエイター
SPHERE(スフィア)、本名坂倉友之(さかくら ともゆき)氏は、
1979年12月8日生まれの日本の
ヒップホップMCであり、
クリエイティブ・ディレクターとしても活躍するマルチな才能を持つ人物です。その出自は、日本の建築史に名を刻む名家、坂倉家という特異な経歴も持ち合わせています。父は
建築家の
坂倉竹之助氏、父方の祖父は著名な
建築家である
坂倉準三氏、曽祖父は
文化学院の創立者である
西村伊作氏と、芸術と文化に彩られた家系に育ちました。さらに、母方の祖父は
実業家の
横井英樹氏という、多彩なバックグラウンドを持つ人物なのです。
SPHERE氏のキャリアは、
セント・メリーズ・インターナショナル・スクール卒業後、中学2年で単身渡米するところから始まります。ブルックリンの高校を経て、フィリップス・アカデミーに在籍。
プラット・インスティテュートにも進学するも中退という経験も積んでいます。
音楽活動においては、
2002年にDef Jam Japanと契約。その後、
2009年にはアーティスト名をSPHERE of INFLUENCEからSPHEREへと改名。数々のシングル、アルバムを発表し、オリコンチャートにもランクインするなど、日本の
ヒップホップシーンに貢献しています。アルバム『THE INFLUENCE』(
2002年)、『ATLANTIS』(2003年)、『COLOR』(2004年)といった作品は、彼の音楽性を示す重要な指標となっています。2023年にはEP『leMUria IN AScEnsion』を発表しており、現在も活動を継続しています。
彼の音楽活動はソロ活動にとどまらず、数々のアーティストとのコラボレーションも盛んに行われています。例えば、AI、
JAMOSA、m-floの
VERBAL、ZEEBRAなど、そうそうたるメンバーとの共演歴は、彼の音楽シーンにおける存在感を示すものと言えるでしょう。
また、SPHERE氏は
2008年には坂倉アトリエに勤務していた経歴を持ち、
建築家の家系に生まれた彼のバックグラウンドと音楽活動が絶妙に融合している点が興味深いところです。
私生活では、モデルの小泉亜子(後の栄倉奈々)さんと結婚し、お子様にも恵まれますが、後に離婚。その後、一般女性と再婚し、新たな家族を築いています。
SPHERE氏の活動は、音楽、デザイン、そしてその出自という、様々な要素が複雑に絡み合い、独特の魅力を生み出していると言えるでしょう。今後、彼がどのような活動を展開していくのか、注目が集まります。