SRWare Iron

SRWare Iron（エスアールウェア アイアン）は、ドイツのSRWare社が開発したウェブブラウザです。しばしば「Iron」と略称されます。かつてはオープンソースの自由ソフトウェアとして公開されていましたが、現在は無償で利用できるソフトウェアとなっています。

このブラウザは、Google Chromeが抱えるプライバシーとセキュリティに関する懸念に対処することを目的に開発されました。Google Chromeと同様に、オープンソースのウェブブラウザプロジェクトであるChromiumを基盤としています。Chromiumが多[[言語]]に対応しているため、Ironも標準で日本語を含む主要な言語をサポートしています。ただし、ユーザーフォーラムは英語、ドイツ語、ロシア語でのみ提供されています。

Google Chromeとの違い

SRWare Ironは、Google Chromeと多くの機能を共有していますが、いくつかの重要な違いがあります。

バージョン: Chromiumのどのスナップショットを基にしているのかを特定できないように、バージョン番号が変更されています。
広告ブロック: かつては独自の広告ブロック機能を搭載していましたが、ブロックリストの老朽化により、現在はuBlock Originなどのサードパーティー製拡張機能の使用が推奨されています。
WebRTCブロック: 独自のWebRTCブロック機能が追加可能になっています。
ユーザーエージェント: 設定ファイルでユーザーエージェントを指定できますが、拡張機能による変更も可能です。
ポータブルアプリ: 公式にポータブルアプリケーションが配布されています。
利用者情報: 利用者情報を送信する機能がありません。
自動アップデート: 自動アップデート機能がなく、アップデート方法はテキストファイルで解説されています。
告知とバグ報告: 新バージョンの告知やバグ報告は公式サイトではなく、フォーラム上で行われています。公式サイトの更新はほとんど行われていません。
バグ対応: バグが発見された場合、バージョン番号の末尾が「.0」から「.1」に変更され、バグの存在が認められます。

その他

2010年、マイクロソフトがヨーロッパで競争法違反で訴えられた際、欧州経済領域のWindowsユーザーに対し、12のウェブブラウザを提示する選択肢が設けられました。その際、SRWare IronはBrowserChoice.euという選択画面に含まれていました。

関連情報

SRWare Ironは、以下のプロジェクトやソフトウェアと関連しています。

Chromium: Google Chromeの基盤となっているオープンソースのウェブブラウザプロジェクト。
Google Chrome: Chromiumを基盤としたGoogle製のウェブブラウザ。
CoolNovo: SRWare Ironと同様に、Chromiumから派生したウェブブラウザ。
Cốc Cốc: Chromiumから派生したベトナム製のウェブブラウザ。
Iron Portable: PortableApps.comが提供するポータブル版のSRWare Iron。
X-Iron: winPenPackが提供するポータブル版のSRWare Iron。
MetaGer: ドイツに拠点を置くプライバシー重視のメタ検索エンジン。
Tutanota: エンドツーエンド暗号化に対応したドイツのメールサービス。

SRWare Ironは、プライバシーとセキュリティを重視するユーザーにとって、Google Chromeの代替として魅力的な選択肢となるでしょう。ただし、自動アップデート機能がないため、セキュリティを維持するためには、ユーザー自身がアップデートを定期的に行う必要があります。

外部リンク

ドイツ語）'>SRWare社のウェブサイト

もう一度検索