SSAB

SSAB ABは、スウェーデン王国ストックホルムに本社を置く、歴史と規模を誇る鉄鋼メーカーです。その歴史は古く、1878年にスウェーデンのダーラナ地方、Domnarvetで操業を開始した製鉄所まで遡ります。その後、1970年代の鉄鋼業界の低迷期を経て、大きな転換期を迎えます。

1978年、Stora Kopparbergs Bergslags AB、Gränges AB、そしてNorrbottens Järnverk ABという、スウェーデンを代表する3つの鉱山・製鉄関連企業が合併。この合併によって、SSAB（Svenskt Stål AB、スウェーデン鉄鋼株式会社の略）が国営企業として設立されました。企業名は、その合併の経緯を表すものです。

設立当初は国営企業でしたが、1988年には政府保有株式の売却が行われ、公開企業へと移行しました。これにより、SSABはより自由な経営戦略を展開できるようになり、積極的な事業拡大へと舵を切ります。

その事業拡大において重要な出来事となったのが、海外企業の買収です。2007年には、アメリカ合衆国アイオワ州とアラバマ州に拠点を置くIPSCOを買収。これにより、SSABは北米市場への進出を大きく加速させました。

さらに2014年には、フィンランドの鉄鋼メーカー、Rautaruukkiの買収を完了。この買収は、SSABの規模を飛躍的に拡大させ、同時にフィンランド政府系の投資会社であるSolidium OyがSSABの主要株主となりました。その後、2021年にはSolidium Oyの保有株式がフィンランド政府に譲渡されています。

現在、SSABの主要株主は、スウェーデンのルオッサヴァーラ＝キルナヴァーラ、アメリカのステート・ストリート・バンク・アンド・トラストカンパニー、そしてフィンランド政府という、国際的な顔ぶれとなっています。売上高の過半数は、アメリカ合衆国、スウェーデン、フィンランドの3カ国から生み出されています。これは、SSABのグローバルな事業展開の成功を示すものです。

日本においても、SSABはスウェーデンスティール株式会社という日本法人を設立。東京港区にオフィスを構え、日本市場への対応を強化しています。

このように、SSAB ABは、1世紀以上にわたる歴史と、積極的なM&A戦略によって、世界的な鉄鋼メーカーへと成長を遂げました。ナスダック・ストックホルムおよびナスダック・ヘルシンキに株式を上場するなど、その財務的安定性も高く評価されています。今後も、世界経済の変動や技術革新に対応しながら、更なる発展が期待される企業です。

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