SSS諸島

カリブ海のオランダ領、SSS諸島とは

カリブ海のリーワード諸島に位置するSSS諸島（スリーエスしょとう）は、オランダ領に属する3つの島、シント・マールテン島、シント・ユースタティウス島、サバ島の総称です。各島の頭文字をとってSSSと名付けられました。

最大の町はシント・マールテン島のフィリップスブルフです。シント・マールテンはオランダ王国を構成する自治領であり、シント・ユースタティウスとサバはオランダ本国に属する特別自治体となっています。

SSS諸島の位置

カリブ海地域には6つのオランダ領の島が存在しますが、SSS諸島はカリブ海中部に位置し、ベネズエラ沖に位置するABC諸島とは地理的に大きく離れています。

シント・マールテン島の北半分はフランス領のサン・マルタン島となっており、その北にはイギリス領のアンギラ島があります。SSS諸島の東にはフランス領のサン・バルテルミー島、南にはセントクリストファー・ネイビスがあります。

SSS諸島の歴史

SSS諸島の歴史は、15世紀末のコロンブスによる「発見」に始まります。17世紀にはオランダ西インド会社によって占領され、18世紀後半にはシント・ユースタティウス島が奴隷貿易を含む貿易拠点として繁栄し、「黄金の岩」と謳われるほどでした。

リーワード諸島の島々を巡っては、オランダ、イギリス、フランスが激しい争奪戦を繰り広げましたが、1816年に現在のSSS諸島の領域がオランダ領として確定しました。

オランダはシント・ユースタティウス島のオラニエスタッドに総督を派遣し、SSS諸島を「シント・ユースタティウス植民地」として統治しました。1828年には、シント・ユースタティウス植民地はキュラソー植民地（ABC諸島）やスリナム植民地とともに「西インド植民地」として統合され、スリナムの首府であるパラマリボの西インド総督の支配下に入りました。

1845年に西インド植民地は大陸部（スリナム）と島嶼部に再分割されましたが、シント・ユースタティウス総督は再設置されず、SSS諸島はキュラソー総督の管轄となり、「キュラソー植民地」に属する島として位置づけられることとなりました。

1954年、ABC諸島とSSS諸島からなるキュラソー植民地は、オランダの自治領「オランダ領アンティル」となりました。オランダ領アンティルはオランダ王国を構成する主体としてオランダ本国と対等とされましたが、ABC諸島とSSS諸島の地理的な隔たりや各島間の経済格差などの問題を抱えていました。

2010年、オランダ領アンティルの枠組みは解体され、シント・マールテンが単独のオランダ自治領となり、他の2島はオランダ本国に属する特別自治体となりました。

このように、SSS諸島は歴史の中で様々な変遷を経て、現在の形に至っています。

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