セントクリストファー・ネイビス

セントクリストファー・ネイビス連邦

基本情報

セントクリストファー・ネイビス連邦（正式名称: Federation of Saint Christopher and Nevis）は、カリブ海の小アンティル諸島に位置する立憲君主制の国であり、セントクリストファー島（セントキッツ島）とネイビス島から成ります。首都はバセテールで、国の標語は「私利を超越する国」であり、国歌は「おお美しき地」です。

この国は、周辺にイギリス領アンギラ、アンティグア・バーブーダ、モントセラトなどを持つ海に囲まれた島国です。面積と人口は小さく、南北中アメリカで最も小さい国家の一つとされています。2021年現在、英連邦王国の最後の加盟国でもあります。

地理と気候

セントクリストファー島は約168平方キロメートル、ネイビス島は約94平方キロメートルの面積を持ち、ナローズ海峡によって隔てられています。両島は火山島であり、セントクリストファー島には標高1156メートルのリアムイガ山がそびえています。ネイビス島には985メートルのネイビス山があります。

気候は熱帯海洋性で、セントクリストファー島は熱帯サバナ気候、ネイビス島は熱帯モンスーン気候に分類されます。年間平均気温は約26℃で、降水量は比較的多いです。特に、夏季には適度な雨が降り、温暖な環境を保っています。

歴史

セントクリストファー・ネイビスの歴史は1493年にクリストファー・コロンブスによる「発見」から始まります。その後、1624年にイギリスのサー・トーマス・ワーナーが彼が率いる入植者を引き連れ、島に永続的な入植を始めました。1689年、英国とフランスの間でこの地を争う戦争が発生し、その後も力の均衡が変化する中で何度も領有権が変わりました。

1783年のヴェルサイユ条約によって英国が再び島を統治することになりますが、その後1861年にセントクリストファー・ネイビス・アンギラ連邦として一括して管理されました。1967年にイギリス自治領となった後、1983年に独立を果たし、ケネディ・シモンズが初代首相となりました。

政治体制

セントクリストファー・ネイビスは英連邦王国に属し、立憲君主制を採用しています。行政府は内閣によって構成され、首相は国民議会から選出されます。議会は一院制で、14議席で構成され、直接選挙と総督の任命枠があります。

ネイビス島には独自の自治政府と議会が設置されており、地域の行政に関与しています。現代においては中道左派の労働党（SKNLP）と中道の人民行動運動（PAM）が二大政党として活動しています。

経済

経済面では、かつては砂糖生産が中心でしたが、2005年にその生産を終了し、現在は観光業が主要な産業へと変わっています。持続可能な開発が課題とされているため、外国からの投資を誘致するために所得税や相続税の優遇措置が設けられています。現在、特に電気機械の組立が重要な産業の一部を占めています。

文化とスポーツ

文化的には、サッカーが最も人気のあるスポーツです。1932年にSKNFAプレミアリーグが設立され、クリケットも主要なスポーツとして広がりを見せています。ネイビス島は温泉の名所でも知られ、観光地としても注目されています。さらに、UNESCOの世界遺産には「ブリムストーン・ヒル要塞国立公園」が登録されています。

国民はアフリカ系黒人が大多数を占めており、英語が公用語として使用されています。セントクリストファー・ネイビスは美しい自然と豊かな文化を持ちながら、現代的な課題にも直面している歴史的な社会です。

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