STS-119

STS-119ミッション：国際宇宙ステーション（ISS）組立の最終段階と若田光一宇宙飛行士の長期滞在

STS-119は、2009年3月16日にスペースシャトルディスカバリーによって打ち上げられた、国際宇宙ステーション（ISS）の組み立てミッションです。このミッションの主要な目的は、ISSの電力を増強し、2009年5月末から予定されていたISSの6人体制への移行を支援することでした。

S6トラスの取り付け

ミッションの最大の焦点は、ISSの最後の太陽電池パドルであるS6トラスの取り付けでした。S6トラスは、ISSの電力供給能力を向上させるために不可欠な要素であり、その設置によってISSの基本的なモジュール構成がほぼ完成しました。

若田光一宇宙飛行士のISS長期滞在

STS-119はまた、若田光一宇宙飛行士にとって、JAXA宇宙飛行士として初めてのISS長期滞在ミッションの始まりでもありました。若田宇宙飛行士は、STS-127（2J/A）で帰還するまでの約4ヶ月間、ISSに滞在し、科学実験やISSの運用に貢献しました。

乗組員

STS-119の乗組員は以下の通りです。

リー・アーシャムボウ（船長）
ドミニク・アントネリ（パイロット）
ジョセフ・アカバ（ミッションスペシャリスト、船外活動担当）：初のプエルトリコ出身の宇宙飛行士
スティーブン・スワンソン（ミッションスペシャリスト、船外活動担当）
リチャード・アーノルド（ミッションスペシャリスト、船外活動担当）
ジョン・フィリップス（ミッションスペシャリスト、ロボットアーム担当）
若田光一（ミッションスペシャリスト、ロボットアーム担当）：第18-19次長期滞在員として出発
サンドラ・マグナス：第18次長期滞在員として帰還

打ち上げの遅延とトラブル

当初、打ち上げは2009年2月12日に予定されていましたが、ディスカバリーの前回のミッション（STS-124）後の点検で、外部燃料タンクの加圧に使用される弁に微小な亀裂が発見されました。このため、弁の安全性を確認するために打ち上げは数回延期されました。

原因特定と対策に時間を要した結果、打ち上げ日は3月12日に決定されました。しかし、その後の準備が予定より早く完了したため、3月11日に前倒しされました。しかし、打ち上げ当日には、外部燃料タンクへの燃料注入中に水素ガスの漏洩が発生し、打ち上げは再び延期され、3月15日となりました。

度重なる打ち上げ延期のため、ISSへの人員交換のために打ち上げられるソユーズ宇宙船とのスケジュールが重なり、ミッション期間は当初予定の15日間から14日間に短縮され、船外活動の回数も4回から3回に減らされました。

打ち上げ直前には、外部燃料タンクにコウモリが留まっているのが発見されましたが、除去を試みても飛び立たなかったため、そのまま打ち上げられました。コウモリは発射の衝撃で振り落とされたと推測されています。

船外活動中には、機器の結合不良やケーブルのコネクタが外れないなどのトラブルが発生し、一部の作業が中止されました。

ミッションの成果

数々の困難に見舞われながらも、STS-119ミッションはS6トラスの取り付けと若田光一宇宙飛行士のISS長期滞在という主要な目的を達成しました。このミッションは、ISSの能力向上と国際協力における重要な一歩となりました。

外部リンク

JAXAのSTS-119ミッションのページ
JAXAのSTS-119のミッション結果の要約ページ
* NASAのMission Information - STS-119（英語）

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