STS-65

STS-65ミッション概要

1994年7月、スペースシャトルコロンビア号によって実施されたSTS-65ミッションは、国際微小重力実験室（IML-2）を搭載し、多岐にわたる科学実験が行われた有人宇宙飛行です。このミッションには、日本人宇宙飛行士である向井千秋氏がペイロードスペシャリストとして搭乗し、アジア初の女性宇宙飛行士として歴史に名を刻みました。

スペースラブとIML-2

スペースラブは、宇宙空間での実験を行うためのモジュールであり、IML-2はその中でも特に微小重力環境を利用した実験に特化したものです。STS-65ミッションでは、このIML-2を活用し、様々な分野の研究が進められました。

日本の実験

日本はこのミッションにおいて、水棲生物実験装置を搭載し、金魚、メダカ、イモリを用いた実験を実施しました。特に注目を集めたのはメダカの実験で、宇宙空間での交尾、産卵活動の観察が行われました。この実験では、43個の卵が確認され、そのうち8匹が孵化し、文字通り「宇宙メダカ」が誕生しました。これは、宇宙環境における生物の繁殖に関する貴重なデータを提供するものとなりました。

乗組員

STS-65ミッションには、以下の7名の宇宙飛行士が搭乗しました。

ロバート・カバナ (船長)
ジェームズ・ハルセル (パイロット)
リチャード・ヒーブ (ミッションスペシャリスト、ペイロードコマンダー)
カール・ウォルツ (ミッションスペシャリスト)
リロイ・チャオ (ミッションスペシャリスト)
ドナルド・トーマス (ペイロードスペシャリスト)
向井千秋 (ペイロードスペシャリスト、NASDA)

ミッションの意義

STS-65ミッションは、微小重力環境下での科学実験の重要性を示すとともに、国際協力による宇宙開発の進展を象徴するものでした。特に、向井千秋宇宙飛行士の参加は、日本の宇宙開発における重要な一歩となり、後の国際宇宙ステーション（ISS）計画にも繋がる、貴重な経験となりました。

外部リンク

NASA mission summary - ウェイバックマシン（2001年1月12日アーカイブ分）
Video Highlights - ウェイバックマシン（2007年10月13日アーカイブ分）
向井宇宙飛行士、宇宙へ アジア初の女性宇宙飛行士 JAXAホームページ

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