カール・ウォルツ

カール・ウォルツ：宇宙飛行士、軍人、そして探求者

カール・ウォルツ（Carl Erwin Walz）は、1955年9月6日生まれのアメリカ人。NASAの宇宙飛行士として4度の宇宙飛行を経験し、アメリカ空軍の大佐としても活躍した人物です。

生い立ちと教育

オハイオ州クリーブランドで生まれたウォルツは、リンドハーストで育ちました。1973年にチャールズ・F・ブラッシュ高校を卒業後、ケント州立大学で物理学の学士号（1977年）を、ジョン・キャロル大学で固体物理学の修士号（1979年）を取得。ケント州立大学は最優等で卒業しています。

軍でのキャリア

1979年から1990年まで空軍に在籍。放射性サンプル分析、フライトテストエンジニア、フライトテストマネージャーなど、多岐にわたる任務をこなしました。エリア51での勤務経験も有しています。

NASAでのキャリア

1990年1月にNASAの宇宙飛行士に選ばれ、4度の宇宙飛行を経験。STS-51、STS-65、STS-79、そして国際宇宙ステーション第4次長期滞在ミッションに参加し、合計231日間を宇宙で過ごしました。特に、ダニエル・バーシュとの196日間の宇宙滞在は、当時のアメリカ合衆国記録となっています。

宇宙飛行のハイライト

STS-51 (1993年): ACTS衛星とシャトルパレット衛星の放出、ドイツとの共同科学実験を実施。7時間の宇宙遊泳も行い、ハッブル宇宙望遠鏡のサービスミッションで使用する道具の評価を行いました。
STS-65 (1994年): International Microgravity Laboratory (IML-2)スペースラブモジュールでの微小重力実験。材料学や生物学の研究を80件以上実施し、スペースシャトルの宇宙滞在記録を更新しました。
STS-79 (1996年): スペースシャトル・アトランティスとミールのドッキング。食糧、水、科学実験機器の輸送、長期滞在クルーの交代を行いました。
第4次長期滞在 (2001-2002年): 国際宇宙ステーションに6.5ヶ月滞在。ハードウェアの飛行試験、メンテナンス、科学実験の実施等に従事。2回の宇宙遊泳も行いました。

NASA以後

現在は、オービタル・サイエンシズ社のAdvanced Programs Groupで有人宇宙飛行運用担当の副社長を務めています。以前はNASA本部でビジョン・フォー・スペース・エクスプロレーションのための技術開発などを担当していました。

人となり

ピアノ、声楽、スポーツを趣味とし、宇宙飛行士のロックンロールバンドMax Qのリードボーカルを務めるなど、多彩な才能を発揮しています。妻パメラとの間に2人の子供がいます。

受賞歴

ディフェンス・スーピアリアサービスメダル、メリットリアスサービスメダル、NASA Space Flight Medal (3回)、NASA Exceptional Service Medal、ケント州立大学 Distinguished Alumnus Award (1997年)など、数々の賞を受賞しています。

カール・ウォルツは、宇宙探査のフロンティアを切り開いてきたパイオニアの一人として、その功績は後世に語り継がれるでしょう。

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