STS-67

STS-67ミッションの詳細

STS-67は、エンデバー宇宙シャトルを用いた有人宇宙ミッションで、1995年3月2日にフロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げられました。このミッションでは、宇宙空間における様々な科学実験が行われ、特に天文学分野で重要な成果を上げました。

乗組員

このミッションには以下の7名の乗組員が参加しました。

船長: ステファン・オズワルド (3回目)
操縦手: ウィリアム・グレゴリー (1回目)
ミッションスペシャリスト1: ジョン・グランスフェルド (1回目)
ミッションスペシャリスト2: ウェンディ・ローレンス (1回目)
ミッションスペシャリスト3: タマラ・E・ジャーニガン (3回目)
ペイロードスペシャリスト1: サミュエル・デュランス (2回目)
ペイロードスペシャリスト2: ロナルド・パリセ (2回目)

ミッションのハイライト

Astro-2ミッション

STS-67の主要な目的の一つは、Astro-2ミッションの遂行でした。これは、紫外線域での天体観測を行うための2回目のスペースラブミッションです。Astro-2は、以下の3つの主要な観測機器で構成されていました。

ホプキンス紫外線望遠鏡 (HUT)
紫外線撮像望遠鏡 (UIT)
ウィスコンシン紫外線光偏光計実験 (WUPPE)

これらの機器を用いて、太陽系内の天体から恒星、星雲、超新星残骸、銀河、活動銀河核に至るまで、600を超える様々な天体を観測しました。このデータは、1990年12月のSTS-35ミッション（Astro-1）で収集されたデータを補完するものでした。地球の大気によって吸収される紫外線を宇宙空間で観測することにより、地上からは不可能な詳細な研究が可能となりました。特に、スペクトルの遠紫外線や極紫外線の領域は、Astro-1以前にはほとんど調査されていませんでしたが、Astro-2によって宇宙の全体像を捉える上で重要なデータが得られました。Astro-2の観測期間はAstro-1の約2倍に及び、異なる時期に打ち上げられたことで、全天の異なる部分を観測することができました。これらの観測によって、天文学者の間で宇宙に対する理解の大きなギャップが埋められ、将来のより大きな発見のための基盤が築かれました。

その他の実験

ミッドデッキでは、以下の実験も行われました。

タンパク質結晶成長熱エンクロージャーシステム気化拡散装置-03実験 (PCG-TES-03)
タンパク質結晶成長単一熱エンクロージャーシステム-02 (PCG-STES-02)
シャトルアマチュア無線実験-II (SAREX-II)
ミッドデッキアクティブ制御実験 (MACE)
商業材料分散装置計測技術関連実験-03 (CMIX-03)
ミッドコース宇宙実験 (MSX)

特に、Middeck Active Control Experiment (MACE)は、宇宙工学の研究のためのペイロードで、レートジャイロ、リアクションホイール、高精度指向性ペイロードなどで構成されています。この実験の目的は、運動の擾乱を補償する閉ループ制御システムを試験することでした。ミッション中、ステファン・オズワルド船長とウィリアム・グレゴリー操縦士は、45時間以上を費やして約200の異なる擾乱条件下でMACEを試験しました。MACEから得られた情報は、将来の宇宙船における運動補償システムの設計に役立てられる予定です。

また、G-387とG-388という2つのゲッタウェイスペシャルペイロードも搭載されました。これらはオーストラリア宇宙庁とAUSPACE ltdが提供したもので、深宇宙や近隣銀河の紫外線観測が目的でした。銀河の超新星残骸の構造、マゼラン雲内の高温ガスの分布、高温銀河ハローからの放射、銀河冷却に伴う放射などが研究されました。

ミッションの徽章

ミッションの徽章には、渦巻[[銀河]]、木星とその4つの衛星、そして7つの恒星が描かれており、ミッション番号がSTS-67であることを象徴しています。また、エンデバーとASTRO-2も描かれています。

ミッションの記録

このミッションは、エンデバーの最長飛行記録を更新しました。

もう一度検索