STS-72

STS-72 ミッション概要

STS-72は、1996年1月にスペースシャトル・エンデバーによって実施された宇宙ミッションです。このミッションでは、日本の宇宙実験・観測フリーフライヤ (SFU) の回収、NASAのOAST-Flyer衛星の放出と回収、そして2回の船外活動による国際宇宙ステーションの組み立て準備が行われました。

乗組員

ブライアン・ダフィー (船長, 3回目)
ブレント・ジェット (操縦手, 1回目)
リロイ・チャオ (ミッション・スペシャリスト, 2回目)
ダニエル・バリー (ミッション・スペシャリスト, 1回目)
ウィンストン・E・スコット (ミッション・スペシャリスト, 1回目)
若田光一 (ミッション・スペシャリスト, 1回目, 日本)

ミッションパラメータ

打上時質量: 112,182 kg
着陸時質量: 98,549 kg
ペイロード質量: 6,510 kg
近地点: 185 km
遠地点: 470 km
軌道傾斜角: 28.4°
周期: 91.1 分

ミッションのハイライト

このミッションの主要な目的は、日本の宇宙実験・観測フリーフライヤ (SFU) を回収し地球に持ち帰ることでした。SFUは、1995年3月にH-IIロケットで打ち上げられ、質量は3,577kgでした。

また、NASAのOAST-Flyer衛星を放出し、約50時間後に回収しました。OAST-Flyerは、SPARTAN衛星を再利用したフリーフライヤで、4つの実験機器を搭載していました。

1. Return Flux Experiment (REFLEX)
2. GPS Attitude Determination and Control Experiment (GADACS)
3. Solar Exposure to Laser Ordnance Device (SELODE)
4. メリーランド大学の Spartan Packet Radio Experiment (SPRE)

その他にも、多数の実験機器が搭載されました。

Shuttle Solar Backscatter Ultraviolet Experiment (SSBUV-8)
EDFT-03
Shuttle Laser Altimeter Payload (SLA-01/GAS(5))
VDA-2
国立衛生研究所 NIH-R3 Experiment
Space Tissue Loss Experiment (STL/NIH-C)
Pool Boiling Experiment (PBE)
Thermal Energy Storage (TES-2)

ゲッタウェイ・スペシャル (GAS) ペイロードには、米国空軍士官学校の実験、日本航空宇宙工業会のタンパク質結晶成長実験、ジェット推進研究所のサンプルリターン実験が含まれていました。

船外活動 (EVA)

このミッションでは、2回の船外活動が行われました。これは、国際宇宙ステーションの組み立てで使われる機器や工具のテストも目的としていました。

EVA 1: リロイ・チャオとダニエル・バリー (6時間09分)
1996年1月15日 - 05:35 UTC 開始
1996年1月15日 - 11:44 UTC 終了
EVA 2: リロイ・チャオとウィンストン・スコット (6時間54分)
1996年1月17日 - 05:40 UTC 開始
1996年1月17日 - 12:34 UTC 終了

エンデバーにとって10回目の飛行となったこのミッションは、科学実験と宇宙ステーション建設に向けた重要な一歩となりました。

関連事項

スペースシャトル
SFU (人工衛星)
Spartan Packet Radio Experiment

外部リンク

* NASA mission summary - ウェイバックマシン（2001年1月5日アーカイブ分）

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