STVホール

STVホール（エスティーブイホール）

北海道札幌市中央区に位置するSTVホールは、札幌テレビ放送（STV）およびSTVラジオの本社ビルに併設された公開用スタジオ施設です。札幌市営地下鉄東西線の西11丁目駅から徒歩約5分というアクセスしやすい場所に立地しています。

歴史と特徴

このホールは、現在の放送会館が完成した1971年に開設されました。特筆すべきは、道内の放送局が所有する施設としては唯一の本格的なホールスタジオであるという点です。開設以来、STVの重要な拠点の一つとして機能し続けています。

設備と機能

STVホールは、468席の観客席を備えています。ステージ部分の広さは約65坪とゆったりしており、3層分の高さを持つ吹抜け構造とホリゾントを有しているため、演劇的な表現や多様なセット設営にも対応可能です。これにより、通常のテレビ番組収録スタジオとしても遜色なく運用できます。公開収録のみならず、非公開でのコマーシャル撮影や番組制作にも頻繁に利用されています。

副調整室やその他の機材については、隣接するTスタジオと共用する体制が取られています。両スタジオの運用が時間的に重複する際には、中継車などを活用して対応しています。

多様な利用

開設以来、STVホールは非常に多岐にわたる用途で利用されてきました。

番組収録: テレビおよびSTVラジオの公開番組収録の中心地です。「24時間テレビ」や、かつて人気を博した「ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー」といった公開放送番組は、札幌メディアパーク・スピカが稼働していた時期も含めて、一貫してこのSTVホールで行われてきました。
イベント開催: 映画の試写会、音楽ライブ、講演会、各種イベントなど、放送関連以外の目的でも広く貸し出し、活用されています。
過去の定例公演: かつては、北海道内では数少ない定例の寄席公演である「STVホール名人会」も開催され、多くの落語ファンに親しまれていました。

また、放送業界の歴史においても特別な場所として記録されています。例えば、1985年4月22日には、STVラジオと同じNRN系列に属するABCラジオの看板番組「おはようパーソナリティ道上洋三です」の公開生放送がここで行われました。

才能の育成

STVホールは、アーティストのキャリア形成においても重要な役割を果たしたことがあります。無名時代の歌手、松山千春は、このホールから公開生放送されていたラジオ番組「サンデージャンボスペシャル」に毎週出演していました。彼はこの場所で、ディレクターをはじめとする多くの関係者から鍛えられ、その後、歌手としての華々しいデビューへと繋がる重要なステップを踏み出したと言われています。

主な制作・関連番組

STVホールが関わる、あるいは公開収録が行われる主な番組には以下のようなものがあります。

ハッピーおとどけ隊（パブリシティ番組）
24時間テレビ（チャリティ番組）
STVショッピング情熱市場（テレビ通販番組）
（過去）ウイークエンドバラエティ 日高晤郎ショー（ラジオ番組）
（過去）サンデージャンボスペシャル（ラジオ番組）
* （過去）STVホール名人会

STVホールは、その歴史と多様な機能により、北海道における放送文化と地域イベントの中心地として、現在も重要な役割を担っています。

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