SU-122 (自走砲)

SU-122 自走榴弾砲について

SU-122は、第二次世界大戦中にソ連の国営第9ウラル重機械工具製造所において開発された自走砲です。この自走榴弾砲は、1942年末に生産が始まりました。SUの名称は、キリル文字で「CY」と記され、「самоходная установка」という言葉の頭文字から来ています。この言葉は「自走砲」を意味します。

開発の背景

ソ連赤軍には、いくつかの火力支援用戦闘車輌の分類がありました。具体的には、機甲総局が担当するAT（砲兵戦車）と、砲兵総局が担当するSU（自走砲）の2種類です。ATには、T-26やBT-7といった戦車の主砲を76.2mm榴弾砲に改造したバージョンがあり、一方でSUには、T-26のシャーシを利用して開発されたSU-5やSU-6がありました。これらの開発は行われたものの、生産数は非常に限られていました。

1942年の独ソ戦の最中、砲兵総局は新たな火力支援車両の開発を決定しました。その中には、当時の技術を活かした中戦車ベースの122mm榴弾砲を搭載した自走砲、後のSU-122が含まれていました。この指示を受けて、ウラル重機械製作工場（UTMZ）と第592工場は、それぞれ122mm榴弾砲を搭載した中型自走炮の開発を急ぎました。

SU-122の特徴

SU-122は、122mm榴弾砲M-30を搭載しているのが特徴です。この砲は、発射速度が遅いため主に火力支援に特化しており、対戦車用途にはあまり向いていませんでした。SU-122の車体内には、最大で40発の砲弾を搭載することが可能でした。

この自走榴弾砲は、その多くがT-34シャーシを基にして製造されましたが、1944年にはSU-100用のシャーシを使用したバリエーションも登場しました。製造数については、資料により異なりますが、約1100輌が完成したとされています。また、1943年8月には生産が終了し、637輌とする説も存在します。

SU-122は外見が特徴的で、駐退機の装甲カバーが前方に突き出た形状をしています。後に、SU-122Mとして砲の変更が施されたモデルや、SU-85をベースにしたSU-122-3が試作されましたが、これらは性能に問題があったため不採用となりました。また、SU-100を基にしたSU-122Pというモデルも試作されましたが、最終的には採用には至りませんでした。

結論

SU-122は、その独特な設計とソ連軍における重要な役割から、歴史的にも記憶されています。この自走榴弾砲は、戦場での火力支援を担いながら、ソ連の戦争努力に寄与しました。さらに、その開発や改良の過程においては、戦争の進行とともに求められたさまざまな技術革新の影響を受けました。

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