SUPER FOLK SONG (矢野顕子のアルバム)

矢野顕子のアルバム『SUPER FOLK SONG』は、1992年6月1日にEpic/Sony Recordsから発売されました。このアルバムは、矢野顕子のピアノ弾き語りシリーズの第一弾として位置づけられています。

概要

アルバムのタイトルは、収録曲の一つである糸井重里のカバー曲から取られています。レコーディングは、東京都渋谷区の津田ホールと長野県松本市のザ・ハーモニーホールで行われました。レコーディング・エンジニアは吉野金次が担当し、すべての楽曲が録音後の編集なしに「一発録り」で収録されています。この一発録りという手法は、矢野顕子の演奏の卓越した技術と表現力を際立たせています。

また、このアルバムの制作と並行して、矢野顕子のアルバム収録風景を題材にした坂西伊作監督によるドキュメンタリー映画『SUPER FOLK SONG - ピアノが愛した女。』も制作されました。この映画は、矢野顕子の音楽に対する真摯な姿勢や、レコーディングの舞台裏を垣間見ることができる貴重な映像作品となっています。

収録曲について

アルバムには、様々なアーティストの楽曲のカバーと、自身の楽曲のセルフカバー、さらにイッセー尾形との共作などが収録されています。

SUPER FOLK SONG: 糸井重里に提供した曲のセルフカバー。原曲はアルバム『ペンギニズム』に収録されています。
大寒町: あがた森魚のカバー。原曲はアルバム『噫無情 (レ・ミゼラブル)』に収録。
SOMEDAY: 佐野元春のカバー。原曲はアルバム『SOMEDAY』に収録。
横顔: 大貫妙子のカバー。原曲はアルバム『ミニヨン』に収録。
夏が終る: 小室等のカバー。原曲はアルバム『いま生きているということ』に収録。
HOW CAN I BE SURE: ラスカルズのカバー。原曲はアルバム『Groovin'』に収録。
MORE AND MORE AMOR: ウェス・モンゴメリーのカバー。原曲はアルバム『California Dreaming』に収録。
スプリンクラー: 山下達郎のカバー。
おおパリ: イッセー尾形の劇の幕間のための曲。
それだけでうれしい: THE BOOMとの矢野の共同名義による曲のソロ・バージョン。
塀の上で: はちみつぱいのカバー。原曲はアルバム『センチメンタル通り』に収録。
中央線: THE BOOMのカバー。原曲はアルバム『JAPANESKA』に収録。2006年には、矢野のセルフカバー・アルバム『はじめてのやのあきこ』において、小田和正と共に再カバーされています。
* PRAYER: Pat Methenyが矢野のために書き下ろした曲に矢野が歌詞をつけた楽曲。クラムボンがこの曲をカバーしており、アルバム『LOVER ALBUM』に収録されています。

これらの楽曲は、矢野顕子の独特な解釈とピアノ演奏によって、新たな魅力が引き出されています。原曲の良さを尊重しつつも、矢野顕子ならではのアレンジが施されており、聴きごたえのある内容となっています。

『SUPER FOLK SONG』は、矢野顕子の音楽的な才能と表現力が凝縮された、まさに「スーパー」なアルバムと言えるでしょう。弾き語りというシンプルな構成でありながら、その音楽的な深みと豊かさは、聴く者を魅了し続けています。

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