SYSTEM BOARD Y2

SYSTEM BOARD Y2（システムボード ワイツー）は、エスアイエレクトロニクスが2009年に発表したアーケードゲーム基板です。

アミューズメント業界全体の不況を背景に、ソフトメーカーと店舗双方のコスト削減を目的として開発されました。PCベースの構成を見送り、CPU、2D・3Dグラフィックエンジン、I/Oコントローラなどを一体化した自社製グラフィックプロセッサ・YATA-2を搭載することで、基板自体の低価格化と長期にわたる安定した部品供給を実現しています。

店舗での扱いやすさを考慮し、冷却ファンや光学ドライブなどの駆動メカを廃した設計により、小型化と耐久性の向上を図っています。ソフトは専用のROM基板によって供給されます。JAMMA規格・JVS規格の筐体双方に対応する汎用性の高さも特徴です。また、対応ソフトの開発に関しても、ソフトメーカーへの開発環境の整備を通じて開発費の抑制に貢献しています。

2010年には3D立体映像に対応し、入力遅延を解消した後継機種であるSYSTEM BOARD Y3がAMショーで発表されましたが、対応作品は発表されないまま発売中止となりました。

スペック

CPU: 32bit RISC 266MHz
グラフィック
2Dピクセル描画: 7000万～1億 ピクセル/秒
3Dポリゴン描画: 60万～100万 ポリゴン/秒
3Dピクセル描画: 4000万～6000万 ピクセル/秒
動画: SVGA 1画面 30fps
サウンド: 再生32ch 最大フレーズ4096
メディア: 専用ROM基板
プログラムデータ: 1G～1.75Gバイト
サウンドデータ: 128M～256Mバイト
I/O
ビデオ出力: D-Sub15pin
サウンド出力: RCA 2ch
JAMMAコネクタ
JVS I/Oコネクタ
シリアルポート 1ch
パラレルポート 16ch

利用状況

SNKプレイモアは、従来低価格を売りにしていたMVS基板の性能面での陳腐化と、不十分なコピー対策を背景に、その代替としてSYSTEM BOARD Y2を国内のMVS筐体の置き換えや発展途上国への輸出に利用しました。

サクセスも同時期に韓国スコーネック社と共同開発した「SKO-PROシステム」をリリースしましたが、わずか2作品で終了しました。その代替として、安価でコストパフォーマンスの高いY2基板で上海シリーズの新作を発表しました。

採用タイトル

発売された主なタイトルは以下の通りです。

THE KING OF FIGHTERS 2002 UNLIMITED MATCH（SNKプレイモア） - 2009年7月9日 218,400円
ひぐらしの哭く頃に 雀（AQインタラクティブ） - 2009年7月16日 207,900円
エヌアイン完全世界（SUBTLE STYLE / るつぼゲームワークス） - 2010年6月25日 197,400円
上海 臥龍天昇（サクセス）- 2011年2月 186,900円

外部リンク

SYSTEM BOARD Y2 サポートページ

もう一度検索