SYSTEM573

SYSTEM573 アーケードゲーム基板：多様なゲームと進化の歴史

SYSTEM573は、コナミ（現コナミアミューズメント）が開発したアーケードゲーム基板です。PlayStationベースのGX700をコアとし、CD-ROMドライブ、拡張サウンド機能、多様な入出力インターフェースを統合した設計が特徴です。ゲームデータはCD-ROMとセキュリティカセットを組み合わせた形で配布され、起動時にCD-ROMから基板上のフラッシュメモリへインストールする仕組み（一部例外あり）を採用していました。この設計は、ソフトウェアのアップデートや不正コピー対策に貢献しました。

ハードウェア構成とバリエーション

SYSTEM573は、その機能拡張の歴史の中でいくつかのバリエーションが存在します。

初期型

最もシンプルな構成で、GX700とCD-ROMドライブのみを搭載。黒塗装の金属ケースに収められており、主にBEMANIシリーズ以外の様々なアーケードゲームに使用されました。第一興商のカラオケシステムDAM-DDRシリーズでも採用された実績があります。拡張I/Oボードは、4系統の映像入出力や、カラオケ機器、フットステージとのシリアル通信をサポートしていました。

アナログI/O拡張基板増設型

初期のダンスダンスレボリューションシリーズ、GUITARFREAKSシリーズ、drummania(1st)などで採用されたモデルです。GX700にアナログI/O拡張基板を追加し、より高度な周辺機器制御を可能にしました。無塗装の金属ケースが採用されています。ダンスダンスレボリューション2ndMIX Link Ver.以降は、PlayStation版とのデータ連携を強化するため、筐体にメモリカードスロットが追加され、32MBのフラッシュカードがGX700基板のPCカードスロットに増設されました。このフラッシュカードは、プレイヤーが作成したデータ保存に利用され、起動時のセキュリティチェックにも使用されるようになりました。

デジタルサウンド拡張基板増設型

主にBEMANIシリーズで使用されたモデルです。CD-ROMに収録されたMP3データのデコードを可能にするICと拡張I/OをGX700に追加した点が特徴です。MP3データは暗号化されており、不正なアクセスを防止する仕組みが導入されていました。このモデルからセキュリティが強化され、基板固有のIDとセキュリティカセットの認証番号の一致が起動条件となりました。初期バージョンではバージョンアップに専用のセキュリティカセットが必要でしたが、後のバージョンでは廃止され、利便性が向上しました。このモデルには、リアルタイムクロック（RTC）維持用の電池が内蔵されています。電池切れでもゲームの起動は可能ですが、設定変更はできなくなります。

デジタルサウンド拡張基板＋ネットワークPCBユニット増設型

GUITARFREAKS 8thMIX、drummania 7thMIX以降のタイトルで使用された、ネットワーク対応モデルです。デジタルサウンド拡張基板に加え、ネットワークPCBユニットが追加されました。このユニットは、LAN接続によるe-AMUSEMENTサーバーへの接続を可能にし、オンラインランキングや追加楽曲のダウンロードなどを実現しました。20GBの2.5インチHDDを内蔵し、ダウンロードデータやゲームデータを保存していました。

主な対応タイトル

SYSTEM573は、数多くのアーケードゲームを動作させています。初期型では、様々なジャンルのゲームが稼働していましたが、後期のデジタルサウンド拡張基板増設型、ネットワーク対応型では、BEMANIシリーズを中心に、ダンスダンスレボリューション、GUITARFREAKS、drummaniaといった人気シリーズが多数対応しています。それぞれのバリエーションで、対応タイトルが異なっていた点も特徴です。

まとめ

SYSTEM573は、その拡張性と高いセキュリティ、そして長期間にわたる人気ゲームシリーズへの対応など、アーケードゲーム基板として高い完成度を誇っていました。その進化の歴史は、アーケードゲーム業界における技術革新を象徴するものです。

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