Saturday 8:pm

コブクロのインディーズ時代を語る上で欠かせない作品として知られる『Saturday 8:pm』は、1999年7月21日、MINOSUKE RECORDSよりリリースされた彼らの記念すべきデビューアルバムです。

このアルバムは、全6曲を収録。作詞・作曲はすべて小渕健太郎によって手がけられています。インディーズ作品ながら、後のコブクロの音楽性を既に示唆する、完成度の高い楽曲群が並んでいます。

特に注目すべきは、ライブにおける定番曲として高い人気を誇る楽曲の存在です。例えば「ストリートのテーマ」は、観客とのコールアンドレスポンスが特徴的で、サビの歌詞「朝まで僕らと一緒に歌ってくれませんか 言葉に羽がはえて飛んでゆきます」は、アンコール時、観客が合唱することで知られています。この一体感を生み出すライブ演出は、後のコブクロのライブにおける重要な要素となっています。

また、アルバム収録楽曲の中には、小渕健太郎の個人的な経験に基づいた、深く感動的な作品も含まれています。「遠くで‥」は、小渕健太郎が18歳の時に亡くした母親への想いを綴った楽曲です。この曲は、コブクロの音楽性を広く世に知らしめるきっかけとなりました。

この「遠くで‥」が縁となり、2007年に放送されたフジテレビ系のドラマ『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』の主題歌制作の話が舞い込みます。結果として制作されたのが、コブクロ14枚目のシングル「蕾」です。この曲は、ドラマと共に多くの人の心に響き、コブクロを代表する名曲として広く知られるようになりました。「遠くで‥」から「蕾」へと繋がるこのストーリーは、コブクロの音楽的成長と、その音楽が持つ力強さを象徴する出来事と言えるでしょう。

『Saturday 8:pm』は、単なるデビューアルバムとしてだけでなく、後の彼らの成功の礎を築いた、重要な作品と言えるでしょう。収録されている楽曲一つ一つに、コブクロの音楽的才能と、その音楽に込められた強い想いが感じられます。この作品は、彼らの音楽的ルーツを探る上で非常に重要な作品であり、コブクロファンにとって必聴の一枚と言えるでしょう。 初期の彼らの音楽性を理解するには、このアルバムを聴くことが不可欠です。シンプルながらも奥行きのある楽曲群は、彼らの才能の片鱗を十分に感じさせてくれます。現在のコブクロを知る上でも、過去を理解する上でも、非常に重要な作品であると言えるでしょう。

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