Sci-Fi HARRY

Sci-Fi HARRY

『Sci-Fi HARRY』（サイファイ ハリー）は、飯田譲治が原作を手がけた日本の漫画作品、およびそれを基にしたテレビアニメです。1995年に東城麻美による漫画版が竹書房から出版されたのを皮切りに、2000年にはテレビアニメ版がテレビ朝日・名古屋テレビ放送共同制作で放送されました。さらに2001年には、阿部忍による漫画版が角川書店から刊行されています。

特筆すべき点として、原作を担当した飯田譲治は、本作を自身が手がけたテレビドラマ「NIGHT HEAD」の原点と位置づけています。

作品概要

漫画版

東城麻美版: 『Sci-Fi HARRY』(竹書房、全2巻、1995年7月 - 1995年11月)。原作：飯田譲治、作画：東城麻美。
阿部忍版: 『Sci-Fi HARRY The comic Neo psychic suspense』(角川書店、全2巻、2001年4月 - 2001年11月)。原作：飯田譲治、作画：阿部忍。

テレビアニメ版

2000年10月から2001年3月にかけて、テレビ朝日と名古屋テレビ放送（NBN）の共同制作で放送されました。名古屋テレビにとっては、約30年ぶりとなる深夜アニメ制作であり、この作品が大きな転換点となりました。

あらすじ

主人公のハリーは、内気でいじめられっ子の高校生です。ある日、彼は突然超能力に目覚めます。その頃、街では不可解な怪死事件が頻発します。

ハリーの超能力は当初スプーンを曲げる程度でしたが、その能力をキャサリンに見せたことがきっかけで、彼女の勧めでスプーン曲げの練習を始め、ついにはテレビ出演を果たします。キャサリンはハリーの能力が広く知られれば、彼がいじめられることはなくなると信じていました。しかし、その願いは無残にも打ち砕かれます。テレビ局のスタジオで、キャサリンと一部のスタッフ、観客を除いたほとんどの人間が、不可解な力によって首を折られて殺害されるという大惨事が起こったのです。

その混乱の中、アキューザーと名乗る謎の組織が現れ、ハリーは拉致されてしまいます。彼の運命は、もはや後戻りできない地点へと進んでいきます。

キャスト

ハリー: 伊藤龍
キャサリン: 堀江由衣
ジョン: 千葉進歩
エリオット: 千葉紗子
ナンシー: さいとう滝子
マイク: 田中信夫
ジョージ: 細井治
ロッド: 若本規夫
ミック: 大塚明夫
ジノリ: 野上ゆかな
マザー: 山本泰輔
ケイト: 沢海陽子
ドルフ: 田中正彦
ファットマン: 永野広一
メリル: 金月真美
ターニャ、ミーシャ: 金田朋子

スタッフ

原作: 飯田譲治
監督: 小寺勝之
シリーズ構成: 高島健一
キャラクターデザイン: 高橋しんや
メカニックデザイン: GASHAW
美術監督: 桑原悟
色彩設計: 関美恵子
撮影監督: 岡崎英夫
録音監督: 吉田知弘
音楽: 池頼広
プロデューサー: 木下健士、有川俊、野村和史
アニメーション制作: A.P.P.P.
制作: テレビ朝日、名古屋テレビ、A.P.P.P

主題歌

オープニングテーマ: 「Mysterious」 - Janne Da Arc
エンディングテーマ: 「愛を知るには早すぎたのか」 - LU⊃A

放送局

共同制作局であるテレビ朝日と名古屋テレビは、ともに金曜日に放送されました。ただし、毎月最終金曜日は「朝まで生テレビ!」放送のため、全20話構成となりました。

テレビ朝日
名古屋テレビ
KBS京都
瀬戸内海放送
愛媛朝日テレビ（2001年放送）

関連作品

テレビ朝日系アニメ
深夜アニメ一覧
NIGHT HEAD: 飯田譲治が原作を務めたテレビドラマで、本作の原点とされています。
常識酒場: テレビドラマ『世にも奇妙な物語』の一話で、「NIGHT HEAD」の原案となった作品。こちらも飯田が原作を手がけており、超能力がテーマです。
* KENJIが来た！: 「Mr.MARIC PRESENTS～サイキックシアター～　Mr.マリック超魔術Ｖ」内の一話（飯田譲二脚本）。サイコキネシスに目覚めた少年ケンジが、能力を使う度に首折れ殺人事件が起きるという内容で、テレビ出演を機に日本中で死者が発生する大惨事が起こるラストが『Sci-Fi HARRY』と共通しています。

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