Sd Kfz 263

Sd Kfz 263 (8-Rad)の詳細

Sd Kfz 263 (8-Rad)は、1938年から1943年にかけてドイツのドイッチュ・ヴェルケ社によって240輌が製造された、ドイツ国防軍の指揮用重装甲無線車です。この車両は、ドイツ国防軍にとって重要な役割を果たし、特に戦場での通信指揮に特化した設計がなされています。

車両の背景

Sd Kfz 263は、同じ形式番号を持つ旧型6輪車両、Sd Kfz 263 (6-Rad)の進化版です。前モデルでは固定された砲塔と20mm機関砲の除去が特徴で、1937年から1938年の間に28輌が生産されました。新型のSd Kfz 263 (8-Rad)では、より高い走破性と広い車内を実現するために、砲塔を取り外し、車体を延長しました。

構造と装備

Sd Kfz 263の装甲は、前面が18mmに厚くなって強化され、全体的に頑丈な構造を持っています。固定武装として、前方にMG34 7.92mm機銃を1丁装備し、ピストルポートからはMP38またはMP40機関短銃を使用できるようになっています。また、作戦会議を行うための小型机も車内に備え付けられています。乗員数は5名に増加し、より効果的な指揮体制がとれるようになりました。

通信装置

この車両には、Fu.G.m.Pz.Fu.Tr.a(mot)という無線機が搭載されており、これは他の装甲無線車両と類似の装備です。また、通信能力の向上のため、後にフレームアンテナをシュテルン（星型）アンテナに交換することも行われました。さらに、車両後部の右側には、長距離通信のための9mウインチマスト式アンテナが装備されています。

配備と運用

Sd Kfz 263は、偵察大隊の本部中隊や師団本部の通信小隊、さらには軍司令部や軍団司令部に配備されました。その役割は、戦場における指揮・通信の要として機能し、戦略的な運用を支えることでした。これにより、Sd Kfz 263は指揮車両としての重要性が高まり、戦場における連携を強化する役割を果たしました。

Sd Kfz 263 (8-Rad)は、重防御と通信能力を兼ね備えた非常に重要な車両として、第二次世界大戦中のドイツ国防軍において特別な地位を占めていました。その設計は、後の指揮車両に多大な影響を与え、戦争の多くの局面で力を発揮しました。

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