Secret Night 〜It's My Treat〜

WANDSの転換期を象徴する一曲『Secret Night 〜It's My Treat〜』

1995年、WANDSの9枚目のシングルとしてリリースされた『Secret Night 〜It's My Treat〜』。この曲は、バンドの歴史において重要な転換期を象徴する楽曲であり、数々のエピソードと共に、多くのファンを魅了し続けています。

制作背景：大胆な挑戦とリスナーの反応

原曲は栗林誠一郎の「IT'S MY TREAT」。長戸大幸のプロデュースにより制作されたこの曲は、ボーカルの上杉昇が強く希望して採用されたものでした。WANDSの公式サイトでは「ロックサウンド路線の実験的な作品」と紹介されており、それまでの路線とは異なるサウンドは、メンバーにとっても大きな挑戦だったと言えるでしょう。

当時のメンバーである柴崎浩は、後年インタビューで、音楽性の変化によってリスナーとのギャップが生じることを危惧しながらも、自分たちのやりたい音楽を追求したと語っています。結果として、この曲はオリコンチャートで1位を獲得し、63.1万枚という記録的な売上を達成しました。しかし、一方で、これまでのWANDSサウンドを期待していたファンからは戸惑いの声も上がったと、メンバーは振り返っています。この楽曲に対するリスナーの反応は、バンドにとって大きな学びとなり、今後の活動に繋がる経験となりました。

多様なミュージックビデオ：秘蔵映像の存在

『Secret Night 〜It's My Treat〜』のミュージックビデオは、複数のバージョンが存在します。スタジオで撮影された白黒の演奏シーン、お蔵入りとなったジャケット撮影の様子、そしてレコーディング風景など、様々な映像が制作されました。これらの映像は、バンドの活動の多面的な側面を垣間見せる貴重な資料と言えるでしょう。一部のバージョンは、WANDSの歴史を振り返る映像作品などで公開されており、ファンの間では人気の高いコンテンツとなっています。また、最近では『90's J-POP ARCHIVE -WANDS-』にて、一部編集されたバージョンが配信されています。

ライブでの存在感：全国ツアーのオープニングナンバー

WANDS初の本格的な全国ツアー「LIVE-JUNK #2」では、この曲がオープニングナンバーとして演奏されました。そのライブ映像は『BEST OF WANDS VIDEO HISTORY』に収録されており、ツアーの盛り上がりを象徴するシーンとして知られています。さらに、カメラアングルが変更されたバージョンが、TBSチャンネルなどで放送された後、『90's J-POP ARCHIVE -WANDS-』で配信されるなど、長く愛され続けています。

タイアップとリメイク：時代を超えた魅力

『Secret Night 〜It's My Treat〜』は、TBS系『COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV』のオープニングテーマとして起用されました。このタイアップにより、楽曲の知名度はさらに向上し、幅広いリスナーに届くきっかけとなりました。さらに2020年には、WANDS第5期メンバーによってリメイクされ、アルバム『BURN THE SECRET』に収録されました。リメイク版は『CDTVサタデー』のエンディングテーマに起用され、オリジナル版同様に『COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV』でも使用されるなど、時代を超えて愛される楽曲であることを証明しています。

まとめ：新たな境地を開いた挑戦的な一曲

『Secret Night 〜It's My Treat〜』は、WANDSにとって商業的な成功と同時に、音楽性における大きな転換点を示した作品と言えるでしょう。リスナーの反応を真摯に受け止めながら、自分たちの音楽を追求し続けた結果が、この楽曲に凝縮されていると言えるでしょう。その挑戦的な姿勢と、時代を超えて愛されるメロディーは、これからも多くのリスナーの心を掴み続けることでしょう。楽曲制作に携わったミュージシャン、関係者、そしてこの曲を愛するすべてのファンにとって、かけがえのない楽曲であることは間違いありません。

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