BURN THE SECRET

21年ぶりのWANDSオリジナルアルバム『BURN THE SECRET』：過去と現在が融合した、新たなWANDSサウンド

2019年、5期としての活動を再開したWANDSが、前作『AWAKE』以来21年ぶりとなるオリジナルアルバム『BURN THE SECRET』をリリースしました。アルバムタイトルは「秘密を燃やせ」を意味し、グループのありのままの姿を表す、飾らないサウンドが凝縮された作品となっています。

アルバムの構成と制作背景

本作は、5期として発表されたシングル2曲を含む新曲と、過去のWANDS楽曲のリアレンジバージョンで構成されています。ボーカルの上原大史は当初、全曲オリジナル楽曲にこだわっていましたが、過去の楽曲を現代に蘇らせるという活動方針もあり、リアレンジバージョンも収録することに。結果、違和感のない統一感のあるアルバムが完成しました。

リアレンジ曲はプロデューサーの提案に基づき選曲され、3期メンバーの柴崎浩は3期楽曲の収録を希望。3期の代表曲「明日もし君が壊れても」がリアレンジされ収録されています。収録楽曲の選定においては、ファンの意見も参考に、最終的にはプロデューサーの判断に委ねられました。キーボードの木村真也は、このアルバムを「過去のWANDSと現在のWANDSを繋ぐ接着剤」と評しています。

制作当初は、過去のWANDSのイメージを踏襲することを意識していた上原でしたが、制作が進むにつれ、過去のスタイルにとらわれず、WANDSにない新しいテイストを取り入れることに重点を置くようになりました。

各楽曲の魅力と制作秘話

アルバムに収録されている楽曲の一つである「David Bowieのように」は、ミュージックビデオが制作され、アルバム発売前に公開されました。この楽曲のタイトルは、プロデューサーの長戸大幸からのアドバイスがきっかけ。サビに具体的な地名や人物名を入れるという提案から、デヴィッド・ボウイが連想されたそうです。タイトル決定までには歌詞も複数パターン試行錯誤され、最終的にキャッチーでインパクトのあるサビが完成しました。

また、「抱き寄せ 高まる 君の体温と共に」は2020年5月20日にリリースされた17thシングルで、ドラマ主題歌にもなった楽曲です。「賞味期限切れ I love you」は、生々しい男女関係を描いた歌詞が特徴。上原は、自身のこれまでのイメージとは異なる、冷ややかな雰囲気の歌詞を目指したと語っています。

「Secret Night 〜It's My Treat〜 [WANDS 第5期ver.]」は、1995年発表の9thシングルの新録。「Burning Free」は、5期WANDS最初の楽曲で、歌詞は制作過程での葛藤を表したもの。上原は、この曲では上杉昇への期待から解放された自身の姿が表現されていると話しています。

さらに、「明日もし君が壊れても [WANDS 第5期ver.]」は、3期楽曲として初めて再録。「もっと強く抱きしめたなら [WANDS 第5期ver.]」は、1期の楽曲の再録、「世界中の誰よりきっと [WANDS 第5期ver.]」は中山美穂とのコラボ曲の新録です。アルバム唯一の上原作曲による楽曲「アイリメンバーU」は、上原の上京経験が基になっています。

ライブとアルバムリリース後

アルバム発売後には、配信ライブ「WANDS Streaming Live 〜BURN THE SECRET〜」が開催されました。当初予定されていた全国ツアーは、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。

『BURN THE SECRET』は、新旧楽曲を融合させた、WANDSの新たな一面が垣間見える作品です。それぞれの楽曲に込められた思いや、制作過程でのエピソードを知ることで、より深く音楽を楽しむことができるでしょう。

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