Shangri-La (電気グルーヴの曲)

電気グルーヴ「Shangri-La」：時代を彩ったテクノ歌謡

「Shangri-La」は、日本の音楽ユニット、電気グルーヴが1997年に発表した楽曲。彼らの8枚目のシングルとしてリリースされ、7枚目のオリジナルアルバム『A』に先駆けて発表されました。この楽曲は、ベブ・シルヴェッティの「スプリング・レイン」をサンプリングしており、作曲者としてシルヴェッティの名前もクレジットされています。

制作の舞台裏

楽曲制作は、渋谷のスタジオでデモ版が作られた後、ソニー信濃町スタジオで本格的なレコーディングが行われました。しかし、歌詞の決定には苦労し、メンバーの石野卓球とピエール瀧が公園でブランコに乗りながら歌詞を考えたというエピソードも残っています。当初はラップの掛け合いで構成されたバージョンも存在しましたが、「とても聴かせられない」という理由でお蔵入りとなりました。

音楽性と歌詞

石野卓球は、この楽曲を歌謡曲として捉えており、テクノではないと発言しています。歌詞は当初「ケツにキス・キス・キス」という過激なものでしたが、最終的に変更されました。カップリング曲には、修正された部分を逆再生すると特定の言葉が聞こえるという仕掛けも施されています。

チャート成績と影響

「Shangri-La」は、日産自動車「テラノ」のコマーシャルソングとして使用されたことで、幅広い層に支持され、オリコンチャートで10位を獲得。電気グルーヴ最大のヒットシングルとなりました。この楽曲のヒットにより、メンバーは「夢でキスキスバンド」を自称するようになり、その後の活動に余裕が生まれたと石野は語っています。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオは、ソープランドをイメージした内容で制作されました。石野卓球は、それまでのミュージックビデオの完成度に不満を持っていましたが、本作のビデオには納得し、「ビデオは金だなあ」と語っています。しかし、後に制作されたビデオを見て考えを改めたとのことです。

ライブパフォーマンス

ライブ演奏時には、石野が「叫ぶニワトリ」のゴム人形、砂原が肩にインコの人形を乗せて演奏することが恒例となっていました。テレビ出演時には、ニワトリの人形がグロテスクであるとしてNGとなり、最終的にはチキンバスケットを持って歌唱するというエピソードも残っています。

メディアでの使用

「Shangri-La」は、NHK-FMラジオ番組のエンディングテーマとして使用されたほか、日産自動車「テラノ」のコマーシャルソングとしても使用されました。また、アニメ『空中ブランコ』のエンディングテーマとして砂原良徳によって再構築されたバージョンが使用されたり、バラエティ番組のエンディングテーマとしても使用されています。

カバーバージョン

「Shangri-La」は、数多くのアーティストによってカバーされています。その中には、COOLON、Soft Punk、BeForU、Saori@destiny、パスピエ、MIYAVIなどが含まれます。

「Shangri-La」は、電気グルーヴの代表曲として、日本の音楽史にその名を刻んでいます。テクノと歌謡曲の融合、ユーモア溢れる歌詞、そして印象的なミュージックビデオは、多くの人々に愛され続けています。

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