SharpDevelop

SharpDevelopは、.NET Frameworkを基盤とするオープンソースの統合開発環境（IDE）です。特筆すべきは、このIDE自体が.NET Frameworkの能力を最大限に引き出すために、C#言語を用いて開発されている点です。これにより、SharpDevelopは.NET環境上でスムーズに動作し、開発者にとって使いやすいツールとなっています。

対応言語とコンパイラ

SharpDevelopは、多様なプログラミング言語をサポートしており、初期にはC#、Visual Basic .NET、Boo、IronPython、IronRubyに対応していました。これらの言語間での相互変換を可能にするコンバータも搭載されていました。しかし、バージョン5.0以降はC#のみのサポートに移行しています。コンパイラとしては、.NET Framework 1.0から4.5.2まで、およびMonoコンパイラに対応しており、幅広い.NET環境での開発を支援します。

プロジェクト管理とVisual Studio互換性

SharpDevelop 2以降では、Visual Studioと同じMSBuildプロジェクトファイルを使用しており、Visual Studioと互換性のあるソリューション・プロジェクトファイルを扱うことが可能です。これにより、Visual StudioユーザーもスムーズにSharpDevelopに移行し、既存のプロジェクトを容易に扱えるようになっています。

外部プログラム連携

SharpDevelopは、以下の外部プログラムとの連携をサポートしており、開発効率を大幅に向上させます。

• - TortoiseSVN
• - TortoiseGit
• - NUnit
• - FxCop
• - StyleCop
• - F#コンパイラ

これらの外部ツールは、SharpDevelopのインターフェースからシームレスに利用でき、NUnitのテスト実行やコードカバレッジの確認などが、開発環境内で直接行えます。これにより、開発者はツール間の切り替えの手間を省き、より効率的に作業を進めることができます。

多言語対応

インターフェースは日本語を含む複数の言語に対応しており、グローバルな開発環境で利用できます。2009年2月には、.NET Framework 3.5上で動作し、C# 3.0に対応したバージョン3.0がリリースされ、最新の.NET技術をサポートしています。

派生ソフトウェア

SharpDevelopをベースにした派生ソフトウェアも存在します。

• - MonoDevelop: 当初はWindows API依存部分をGTK#で置き換え、Mono環境での動作を最適化していましたが、現在では独自の進化を遂げ、別物となっています。
• - FlashDevelop: Adobe Flex SDK向けに改造されたもので、Adobe Flexにおける無償IDEとして非常に人気があります。

まとめ

SharpDevelopは、.NET Framework開発者にとって非常に強力なツールです。多様な言語サポート、Visual Studioとの互換性、外部ツールとの連携により、開発プロセスを効率化し、生産性を向上させることができます。多言語対応であるため、グローバルな開発チームでも活用できます。オープンソースである点も大きな魅力であり、コミュニティによる継続的な改善と進化が期待できます。

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