MonoDevelop

MonoDevelopは、Monoプラットフォーム上で動作するオープンソースの統合開発環境（IDE）です。かつてはXamarin Studioとも呼ばれていました。MonoとGTKが対応する環境であれば、オペレーティングシステム（OS）の種類を問わず動作するのが特徴です。

対応OS

公式にサポートされているOSは、Ubuntu 14.04以降、Debian/Raspbian 8以降、RHEL/CentOS 6以降に限られます。ただし、Ubuntu 20.04以降では18.04用のリポジトリを、RHEL/CentOS 8以降ではCentOS 7用のリポジトリを流用することでインストールできます。

概要

MonoDevelopは、当初Monoと.NET Frameworkを利用したソフトウェア開発を主なターゲットとしていました。EclipseやMicrosoft Visual Studioと同様に、自動補完やソースコード管理機能が利用できます。また、GTK# GUIデザイナーであるSteticが搭載されており、RAD（迅速なアプリケーション開発）にも対応しています。さらに、ウェブデザイナーなどの機能も統合されています。

歴史

2003年、Monoコミュニティの開発者が、Windowsに依存していたオープンソースの.NET IDEであるSharpDevelopを、Windows上のSystem.Windows.FormsからLinux上のGtk#に移植しました。この初期のフォークにより、現在のMonoDevelopとSharpDevelopの間には構造的な共通点は少なくなっています。その後、MonoDevelopプロジェクトはMonoプロジェクトに吸収され、ノベルとMonoコミュニティによって積極的に開発が進められました。2020年以降は、ソフトウェアの提供は継続されるものの、新機能の追加は行わない方針が開発プロジェクトから発表されています。

Xamarin Studio

WindowsおよびmacOS向けには、Xamarin Studioというブランドで配布されています。過去にはGTKの不具合によりmacOSで日本語入力ができない問題がありましたが、現在は解決されています。

Visual Studio for Mac

MonoDevelopのもう一つのブランドとして、Visual Studio for Macがあります。これはWindows版Visual Studioと多くのツールを共有しています。リファクタリングとインテリセンスにはRoslyn .NETコンパイラプラットフォーム、プロジェクトとビルドエンジンにはMSBuild、ソースコード編集にはTextMateが使用されています。また、Xamarinと.NET Core向けには同じデバッガーエンジン、Xamarin.iOSとXamarin.Android向けには同じデザイナーが利用されています。

非Linux環境向けのMonoDevelop

macOSを除き、Linux環境ほどのサポートは提供されていません。

FreeBSD: FreeBSD上のMonoDevelopはFreeBSDコミュニティによってのみサポートされています。
Solaris: かつてはSPARC上で動作するSolaris 10向けのパッケージが提供されていましたが、現在は提供されていません。OpenSolaris向けのパッケージはOpenSolarisコミュニティから提供されていましたが、こちらも現在は提供されていません。
Windows: かつては実行形式での配布が行われていましたが、現在はソースコードからのコンパイルが必要です。
macOS: Visual Studio for Macとして公開されています。

参考文献

MonoDevelop 公式ウェブサイト
Visual Studio for Mac

関連項目

Mono (ソフトウェア)
統合開発環境
Anjuta
KDevelop
SharpDevelop
Eclipse
Visual Studio
Xamarin

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